1歩前へ
帰国してから、ある大会に出場するために作品を創作しており、先日発表して参りました。
実は、前回の帰国でも、別の大会に出場したのですが、その時は一般的に販売されているCDから舞踊のために歌われたタラーナーを選び、それに振付けをしたところ、審査委員長の講評で「何を表現したいのか分からない」というコメントや、審査員によって点数に大きな幅があり、恐らく日本では純粋舞踊は理解されにくいのかも…と思い、今回はその反省を生かしてキチンとストーリーとテーマのある作品にしようと決心していました。
そこで、学生の時から関心のあるトピック=舞踊と女性、その社会的な地位をテーマに創作し、曲も芸者の生き様を描いた映画「SAYURI」からいくつかトラックを選曲しました。純粋舞踊だけでなく、バーヴァ(パントマイム的な動きや演劇的な表現)もかなり入れ、自分のメッセージを踊りに変換するというということに、初めて挑戦しました。
2か月前から構想はあったものの、実際動き始めたのは試験が終わって帰国後。深く作品と向き合うことができず、結果は残念に終わりましたが、新しいことにチャレンジをして、日本の他のジャンルのダンスやダンサーの皆さん(殆どがコンテンポラリー)の作品を沢山拝見することができ、構成や演出面で自分には何が足りなかったのか、とても勉強になりました。
これまでは、古典舞踊としてのカタックに対する興味が強かったので、舞踊が時代や社会と共に変化・進化すべきという考えに賛成できなかったのですが、踊り手は観客のために踊るのだから、国や場所や時代を超えて相手を惹きつけるためには、相手に合わせたものを用意できるようでいなくてはいけないということを痛感し、漸く「舞踊は時代に合わせて進化すべき」論に賛成できそうです。