”Marketing”は”Market-ing”である
当たり前のことですが、市場は常に変化し続けています。近年、その変化の速さは過去と比べて格段に速くなっています。
マーケティングとは、その変化し続ける市場を相手にするもので、アメリカ市場の急激に変化している市場に対して、まさに今、市場がどのように進化しているかを理解する必要があります。
Marketingという一文字に込められた意味は、Marketが常にing進行(変化)しているという意味と理解をしてます。
日本には「諸行無常」という言葉があるそうですが、まさにMarketingも同じです。常に同じ状態のものはありません。変化することが本質にあります。
最先端のマーケティングを理解して、実践に使うには、まず市場がどのように変化しているかが、戦略立案の第一歩となります。
人間の欲求の本質を知る
マーケットとは人々が欲するものを交換し合う場と考えてます。そのため、人間の欲求の変化という本質を理解しなければなりません。
マズローの欲求段階説を用いた場合、今までの人々の欲求は「承認の欲求段階」であったと考えます。他者から尊敬されたいと考え、より有名な企業に所属したいや評判を得たいなど、他者からの評価に対する欲求が強かった時代であったと考えます。
地位や名声や名誉などが欲求を満たす事で、ブランド品や高級車などを持つことで、そのような物を持てる人は大きな企業や社会で出世をしている人だと周りが勝手に認識してくれました。多くの人が価値ランクを理解できる商品にするためにも、イメージ戦略や莫大な広告宣伝費でブランディングする必要がありました。そのような流れから、日常用品や雑貨など安価な商品においても、より多くの人々が知っている物を購入することが、安心感へと繋がりました。
今に比べて作り手と買い手の間の情報量が少ない時代で、作り手の理念や思想が伝わりにくい時代であったと考えます。そのため買い手はそれぞれの作り手を調べて比較するには膨大な労力がかかり、単に広く知られているブランドが良い商品だと判断するしかなかったのではないでしょうか。
今はどのような商品が選ばれるのか?
カリフォルニア州で特に感じる事は、人々の欲求は次のステージに移ってきているということです。
特にアッパーミドル層以上は、自己実現の欲求を満たす商品に移行しているように感じます。
例えば食料品で言えば
・生理的欲求・・・・・食べ物を確保したい。
・安全の欲求・・・・・病気にならないような食べ物を確保したい。
・承認の欲求・・・・・より綺麗に、より健康になるようなものを接種して他者から良く見られたい。
・自己実現の欲求・・・環境や社会にやさしいものを選択したい。
と、自己実現の欲求の段階へと、人々の欲求が進化している段階と感じます。
農薬や化学添加物を使用していないオーガニック食品、地元農家の品物、社会貢献活動をしている企業の商品を選択など、よりサスティナブルな商品が選ばれています。
高度情報化社会により、作り手や売り手の理念や思想、企業活動まで瞬時に確認する事ができます。今は調べる事への労力は格段に少なくなりました。これからもこの傾向は加速する事でしょう。
作り手や売り手は、これからもっと購入者に対して情報を発信しなければなりません。商品だけではなく、企業活動の姿勢も発信していかなければ、人々の欲求を満たす事ができず、市場に認められない商品となる可能性が高いです。
これからの販路開拓方法は?
過去のように莫大な広告宣伝費をかけてTVや雑誌に広告を出したりするよりも、企業自らが市場に対して発信する事の方が、マーケットインするときのコストパフォーマンスが高くなると考えます。
今はホームページ、SNS、ブログなど様々な発信媒体があります。
企業自らがメディアとして情報を発信できる時代です。
それらを構築して運用する事が必須条件となり、そこからがアメリカ市場においてのビジネスのスタート地点に立つことになります。
ただ単に、「商品を売りたい」「利益を出したい」という思想だけでアメリカ市場にきては通用しません。
世界最大のアメリカ市場で認められて、価値と交換できる貨幣を得たいという考えは、承認欲求の段階です。
アメリカ市場は自己実現の欲求に変化してます。
なぜ、アメリカ市場で商品を売るのかという理由を再度見つめなおし、アメリカ市場に対するメッセージを明確にしなければなりません。
日本の商品をなぜアメリカ市場で売りたいのか?
そこをアメリカ人と一緒にマーケティング戦略を立てる必要があります。
アメリカでは、ミレニアルズ世代(2000年以降に成人になった世代)の購買欲が低下して商品が売れないと言われていますが、欲が無くなったわけではなく欲が変化したと捉えるべきです。
見知らぬ人とインターネット上で繋がり、一つの物をシェアする欲求は一昔前より格段に高まってます。
同じく皆が知っている均一な商品ではなく、それぞれの個性に合わせ多様な商品を求める欲求は高まってます。
過去と同じビジネスのやり方では通用しません。
なぜなら市場が変化しているからです。