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M-Cross International Corporation Column

スタート地点を認識し、そしてどこへ向かうのか・・・

2018.05.27 03:23

目的地を理解していても、出発点を理解していなければ、どの方向へ動けば良いのかが分からず、始めの一歩を進める事すら出来ません。
世界最大の市場でビジネスすることは、楽しくもあり、辛さもあり、山あり谷ありの大冒険です。
その冒険を始めるには、地図を手に入れ、方位磁針を持ち、そしてアメリカ市場における自らの立ち位置(スタート地点)を認識することが、マーケティング戦略構築の第一歩となります。

地図を手に入れる

 アメリカ市場に参入してビジネスで成功するにあたり、その全体像がわかる地図を手にいれなければなりません。マーケティング戦略において様々な手法があり、それだけ様々な地図があります。

 私の独自のマーケティング戦略においても、様々なオリジナルの地図があります。その中でも分かりやすいものを一つ紹介致します。


 ■コトラーマーケティング戦略理論×ブルーオーシャン戦略

 縦軸はフィリップコトラー氏のマーケティング1.0から4.0までを領域分けをして、横軸は競合他社との競争が激しい市場かどうかを示しています。

【Y軸】

・マーケティング1.0

 製品中心の領域で、良い品質で大量に作ってマスに広告宣伝をかければ成功するという商品です。

・マーケティング2.0

 消費者志向の領域で、「顧客」に焦点を当てる戦略的な手法で、他社製品との「差別化」が図られているような商品です。

・マーケティング3.0

 価値主導の領域で、「世界をよりよい場所にすること」に焦点を当てた価値主導の マーケティングを指します。

・マーケティング4.0

 自己実現思考の領域で、マズローの「欲求五段階説」における自己実現理論を元にした概念に合ったような商品やサービスです。

【X軸】

・レッドオーシャン

 競合他社との激烈な価格競争に巻き込まれる市場領域。

・ブルーオーシャン

 競合他社が少なく価格競争に巻き込まれていない商品やサービスの市場領域。


いまだ多くの商品が2.0×レッドオーシャンの領域

 多くの企業が競争の激しいレッドオーシャンにいます。その理由はレッドオーシャンは競合他社が多く存在できるほど市場が豊かな領域だからです。そのような海でなければ大企業は維持できません。

 そして、他社との差別化を図ることに多くの資源を投入しているマーケティング2.0の領域で戦っています。これは多くの資源を投入して新規ビジネスでブルーオーシャンを目指しても成功するとは限らないため、そのようなリスクを避け、競合他社と商品を差別化することへ向かうのは自然の流れだからです。

 競合が少ないブルーオーシャンへ向かう難しさは、その海を開拓しても顧客が存在しなかったという可能性があるところにあります。


3.0へと上がるためには

 企業自身が市場に向けてメッセージを発信しなければなりません。

 そのためにはCSR活動を発信することもひとつです。その企業がどのように世界をよりよい場所にしようとしているのかを、市場に存在している顧客へ発信して、商品だけではなく企業自体を好きになってもらえるようにしなければなりません。

 そのためには、共感してもらう企業活動や思想、理念が必要です。共感してもらえれば、競合他社の似たような商品の中で、自社のものを選択してもらえます。


4.0へと上がるためには

 人々の自己実現の欲求を満たす商品やサービスなど市場へ発信するだけではなく、企業自体も人々の自己実現の欲求を満たす企業活動が求められます。

 人々が自己成長する時の手助けになる商品やサービスもこれからの時代に求められるようになります。


マップ右上へ向かうコツ

 このマップでの右上(4.0×ブルーオーシャン)へと向かうためには、競合他社よりもいち早く4.0へとランクアップすることです。

 他社よりも早く4.0へと進化すると、自然と競合他社がいないブルーオーシャンへ向かいます。真上に進化しているつもりが、自然と右上に向かっている状況になります。

 人類は情報革命により進化しました。その中で欲求も進化してます。企業もいち早くマーケティング4.0へと進化することで、開ける未来は企業同士の激烈な戦いから解放されることでしょう。

 人間の進化に合わせて市場も変化してます。

 自らの立ち位置を認識して、素晴らしき未来へ企業を進化させることこそ、次の数十年を市場から求められる企業となることでしょう。