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Oimachi Act./おい街アクト

ある夫婦の会話

2023.04.21 03:00

昭和30年代の話し。

会社が倒産して1年近くになる。

未だ仕事の決まってない夫は、借金の肩代わりにテレビも持っていかれ、新聞をとるお金もない。

暇つぶしは靴磨き。

ピカピカになるまで磨きあげる。

借金取りが朝から来たりするので、家庭は今は崩壊している。

妻は服の補正の仕事をしているが、日給は300円。

朝、飯は辛うじて味噌汁に漬け物と目刺し。夫は妻に嬉しそうに話す。

「今日はプロレスでも見に行くかな」。

すると妻は、「そんなお金、どこにあるんかね!」。

夫は、吃った感じで「プロレスち言うても、散髪屋のテレビを見に、い、くん、よ」。

妻は不機嫌で、黙っている。

こうして朝の食事は終わった。

昭和30代、プロレス人気は、街頭のテレビに人だかりが出来ていた。

むろん床屋のテレビを近所の親父達は見に来ていた。

そう、力道山対プラッシーは、額を噛みつかれた力道山が血を流し、テレビを見てショック死する人もいた。

プロレスが本気でやる格闘技と、しばらくは信じられていた時代。

日本人は本気で怒っていた。

「えークソ、反則ばっかり外人はして!チェっ!」。