サンゴの粘液って何?
こんにちは。
AQUAMANです。
今回は「サンゴの粘液」についてご説明したと思います。
マリンアクアリストの方は、1度は自身の水槽で見たことがあると思います。ポリプ表面にヌルヌルした粘液・・・それがサンゴ粘液です。この粘液は、実際にどんな役割があるのかまとめてみました。
役割1:潤いコーティング
自然界にいるサンゴは、潮が引くことで空気中に何時間か露出してしまいます。
露出することで本来は★になりますが、実は粘液でコーティングして潤いを保って
います。コーティングにより乾燥や高温から守ります。
役割2:体の表面を綺麗に保つ
海中における水流などで砂や泥がサンゴに溜まってしまいますが、粘液で不要なも
のを除去します。シュノーケルやダイビングをする方はわかると思いますが、サン
ゴに砂などが溜まっているところ見たことがないと思います。常に綺麗な状態で保
っています。砂があれば光合成の妨げになるため粘液で除去するのです。
これがストレスによる粘液放出です。
役割3:紫外線防御
サンゴの粘液には紫外線を吸収する物質が含まれています。強烈な紫外線から自身を
守ります。
役割4:餌を吸着させる
サンゴが放出した粘液にプランクトンやバクテリアを吸着させそれを栄養として
食べています。
役割5:粘液は生物の餌
粘液自体を食べる生物や粘液で吸着した様々な生物が蓄積して集体となりそれを食べ
る生物がいます。
このように「サンゴの粘液」にはいろいろな役目があります。
「役割5」について少し深堀します。
潮の満ち引きで露出したサンゴが粘液を放出してコーティングしますが、その後、この粘液はどうなると思いますか?
粘液は空気を含んでいるため、水面に浮かび粘液フロート(粘液の集まり)となります。
※沖縄の海(昼間の海)でたまに見かける水面に浮かぶ泡の集まりのようなものです。
この粘液フロートが様々な生物や粒子、砂粒をキャッチします。次第に重くなり泡が抜けて海底に沈みます。沈んだ粘液はそのまま生物の餌になります。一部は海底にある砂に溜まり、砂の中にいるバクテリアが分解して栄養を作り出します。
この栄養は生物にとってとても重要なサプリです。
生態系に必要な粘液は、循環サイクルを作り出しています。
余談ですが、粘液はSPSやLPSのような骨格を持つハードコーラルが一番粘液を放出します。
サンゴって本当に自然界で重要な役割を果たしているので、是非、ご参考下さい。