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退屈と惰性と 改

HG ガンダムエアリアル(改修型) レビュー

2023.04.17 12:28

 今回のレビューは、1/144スケール ハイグレード より、

“HGTWFM19 ガンダムエアリアル(改修型)” です。


 “機動戦士ガンダム 水星の魔女” より、主人公、スレッタ・マーキュリーが搭乗するエアリアルの強化改修型、

“XVXー016RN ガンダム・エアリアル(改修型)” が、

HG水星の魔女シリーズで発売されました。


 いよいよ放送再開となった水星の魔女。

 衝撃の12話・・プラント・クエタ襲撃事件から2ヶ月が経過していましたが、事件そのものは報道規制により一般人には伏せられ、世界情勢にはとくに変わりがないまま、スレッタや地球寮の面々は表向き普通の学園生活に戻っていました。

 一方で、学生のなかには状況の変化を余儀なくされた者たちも。

 ミオリネはいまだ目覚めないデリングに付き添い、父を喪ったラウダは陰謀渦巻く大人たちの渦中に、そしてさらに暗躍せんとするシャディクの手引きで地球の魔女たちが学園にやってくる・・という不穏な幕開けの13話。

 そしてつい昨日の14話で、もう僕の情緒が・・(笑)

 一気にいろんなことが動いてしまいましたね。

 エアリアルとエリクトの関係も、おおよその予想通りでした。

 クワイエット・ゼロとやらの最終目的も、まぁそういうことなんだろうな。

 ただデリングとプロスペラ=エルノラの目的が完全一致しているともまだ思えないんですが。

 一方で13話、14話ともに戦闘シーンではお祭り的な展開もあり、13話ではホルダーのスレッタが連戦形式の決闘を受けて立ち、14話ではランブルリングという名のバトルロイヤルからのウル、ソーン乱入で地獄と・・うぁ、また情緒が・・

 ほかのこと考えよう。

 とりあえず、いろいろ出てきたモブMSもキット化してください。

 放送開始前のPVでちらっと出ていたMSたちも、まさかあんなかたちで一気に消化されるとは思わなかったなぁ。

 ランブルリングに出てきたものも含めトンデモMSばかりだったけど、だからこそキット化してほしい。

 まぁされないでしょうけどね。


 それでは、レビューしていきます。

 キットはパチ組みに最低限の墨入れ、付属のシールを貼ったのみです。


XVXー016RN ガンダムエアリアル(改修型)

 グラスレー寮との決闘でかなりの損傷を被ったエアリアルが、シン・セー開発公社の手でプラント・クエタ内で改修され、新たに生まれ変わった姿。

 機体の基本構造こそそのままですが、外装および武装類は新造され、基型の雰囲気を若干残しつつもほぼ新型同様の見ためになっています。

 ガンダムシリーズにおいて主人公機のパワーアップはもはや定番ですが、その場合たいてい名前も変わるか、もとの名前になにか単語が追加されるというパターンが多いのですが、今回はあくまでエアリアルのまま、劇中の呼称も変わらないようで、(改修型)というのは基型と区別するため便宜上付けられているだけみたいですね。

 フォルドの夜明けによるプラント・クエタ襲撃に際し、スレッタの搭乗で機動。

 ルブリス・ウル、ソーンの2機を相手に互角以上に渡り合い、ガンビットライフルの威力でもって彼女らを撤退させました。

 からの「やめなさい!」で第1期終了・・

(改修型)とありますが、キット的には完全新規造形。

 基型の少年的、あるいは女性的な丸みがなくなり、カラーリング含めわりとありがちなガンダムタイプのデザインになってしまった感があります。

 GPー01Fbとかダブルオーっぽい感じかな。

 かなり男性的になったというか、マッシブ感が増したように思います。

 ただプロポーションはわりと独特で、太腿の太さは相変わらず。で、ちょっと脚が短く見えるかなぁ。

 まぁ、ある意味実際の人間により近いバランスではあるんですが。


 丸みを帯びた輪郭にクリッとした目が可愛らしかった頭部も、やはりよりガンダムらしくなったというか、男性的でシャープなデザインになりました。

 ツインアイは成型色で色分けされていますが、今回はシールを貼っています。

 なお、ツインアイ、そして後頭部のカメラのシールは通常の緑以外に赤いものも付属しています。

 どこかでまた暴走(?)するんでしょうかね。


 胸部シェルユニットはわずかに大型化。

 今回もインモールド成型パーツか、通常のクリアパーツにシールかを選択できるようになっています。

 ただ、基型およびルブリスで採用されていたダブルサイドシールは今回採用されず、一般的なホイルシールを内側のパーツに貼る仕様に。

 あまり評判がよくなかったのか、タたんにコストの問題か・・

 ちなみに、ウルやソーンのように内部パーツにシェルユニットのディティールは彫られていません。


 太腿の発光表現もクリアパーツとシールでの再現。

 こちらは基型のとき、クリアパーツの裏にシールを貼るのが地味に難しかったので個人的には今回の仕様でよかったですね。

 胸部、太腿ともにパーメットリンクせずに発光していない状態を再現するただの黒いシールも付属しているので、好みで選んでください。


 足首はC型ジョイント接続による前後スイングに、爪先がボールジョイント、踵が軸接続という、基型の構造を踏襲。

 足首アーマーの干渉で爪先の可動が制限されるため、開脚時の接地性は微妙です。

 この構造嫌いだわぁ・・


 背面。

 専用のフライトユニットを装備。

 このフライトユニットで機体のシルエットが随分変わりましたね。

 お尻や太腿裏側のフィン状パーツのレイアウトなどは基型を踏襲しています。

 色分けは成型色でほぼ再現されており、センサー等はシールで補完が可能ですが、踵のフィン状ディティールのみグレーで塗装する必要があります。

 今回は塗ってません。


フライトユニット

 ニカが造ったモノを参考にしたのかどうかわかりませんが、基部と4つのユニットからなり、よりコンパクトかつ機能的なものになっています。

 上部のユニットは3つの可動部でフレキシブルに可動。

 下部のユニットは上下方向に回転のみ可能です。

 さらに上部のユニットからは2枚の小型ウイング(回転式展開翼)が展開します。

 フライトユニット自体は取り外し可能。

 接続は定番の2穴タイプです。


付属武装

ビームライフル

 専用に開発された新型のビ-ムライフル。

 射撃に特化させたようで、基型のライフルのようなビームブレイドの精製はできません。

 パーツを差し換え、さらに一部を可動させることでロングレンジモードに変形。

 この状態では左右に展開した専用グリップを両手で保持するかたちになります。

 通常モードのグリップガードが展開した部分を腰部に接するような説明がありますが、

このように当てるだけで、とくに固定されるわけではありません。

 非使用時には背面、フライトユニット中央にマウント可能。

 基型では戦用のマウントパーツが必要でしたが、今回は単体でマウントできます。


ビームサーベル

 フライトユニット上部に2本をマウント。

 デバイス自体は基型のものと変わらないようです。

 サーベル刃も同じく専用の断面が四角のものですが、流用パーツではありません。


エスカッシャン

 11基のビットステイブからなる多目的攻防プラットフォームの基本形。

 各ビットステイブの形状も、基型から微妙に変わっていますね。

 数は一緒ですけど。というか、増えてたら怖い・・

 このシールド形態の配置も基本的に基型を踏襲。

 本来ビットステイブだけでこのかたちに集合できるはずですが、キットでは固定のために基部パーツを使用します。

 そして前腕側面に取り付けるのですが、基型では軸接続だったものが今回はダボ接続になったので、シールドとしての取り回しは悪くなってしまいました。


 分離させた状態がこちら。

 一部ビットのカラーリングはシールで再現されます。

 各ビットはすでに発売されている水星の魔女ウエポンディスプレイベースを使って飛行状態でのディスプレイが可能。

 それぞれ特定のアタッチメントを使用します。

 以下、ちょっと画像が見にくくてすみません・・

 この2種(各2基)ビットのディスプレイには⑬(ディスプレイベースのパーツ版号)を使用。

 この2種には⑪。

 次、上の青いビットには①、下のビット(2基)には⑨を使いますが、この2種については⑪でも代用できます。

  最後に、これと、左右対称系のもう1基には⑤を使用。

 ただし、11基のビットすべてをディスプレイするためには、ディスプレイベースが4セット必要になります。

 というのも、⑬のアタッチメントパーツが、1セットに付き1つしか入ってなないんですよね。

 これです。見にくくてすみません。

 いや、そんなのもう確信犯だろ・・

 なお、基型では2セットあれば全部ディスプレイできました。

 なら改修型もそうしろ、と。

 こういうとこなんだよ、バンダイ・・


ビットオンフォーム

 11基のビットステイブをエアリアル本体に装着、エアリアル自体の機動性、防御力を上昇させると同時に、ビットへの急速補給を可能とする形態ですね。

 各ビットの配置はほぼ基型と共通ですが、基型では腰裏に燕尾のように配置されたビットに相当するものが、こちらではフライトユニット下部のスラスター(?)に接続されるかたちになります。


ガンビットライフル

 ロングレンジモードに変形したビームライフルに、11基のビットすべてが接続された形態。

 基型では銃口部分に2基のビットが接続されるだけでしたが、今回はすべてのビットのエネルギーを結集(?)させることで対艦級の高出力ビームを放つことができるようになっています。

 12話で発射されたときは、学園での決闘用に出力が抑えられていてなお、かすっただけでもMSの脚部を溶解させる威力を見せました。

 実戦レベルならどれほどのものになるのか・・


 なお、あのシーン再現のために必須となる平手は付属していませんが、ミラソウル社製フライトユニットのボーナスパーツであるえらリアル用平手がそのまま流用できるので安心(なにが?)。


比較画像

 改修前と。まず本体のみで正面から。

 胸部のシェルユニット、ボリュームのある太腿など共通要素はありますが、全体に線が増えて、雰囲気としては随分別物になりましたね。

 ブルーの色味も暗くなっています。

 まったく同じ形状なのは、ハンドパーツとサーベルのグリップくらいです。


 後ろからも。

 バックパックが別物になっているのですが、やっぱこれGPー01だなぁ。

 無印とフルバーニアンやん・・


 頭部比較。

 改修型では額のアンテナが4本になり、変わって側頭部のアンテナは少し短くなりました。

 目は少し小さく、マスクにはスリットが追加されてます。

 やはりなんとなく男女的な違いを感じますかねぇ。


 武装させて。改修前にはミラソウル社製フライトユニットを乗せてみました。

 機体特性はそのまま、純粋にアップデートした感じですね。


 エスカッシャン比較。

 ビットの配置は基本共通。

 各ビットの形状もおおよそ同じなのですが、やはり改修型のほうが少しシャープになった感じですね。


 ともにガンビットフォームで。

 こちらでも、先に言った通りビットの配置はほぼ共通です。

 肩はアーマーとビットの配色が逆転してるんですね。

以下、画像

 基型は太腿外装が脚の付け根部分に大きく被っているためにその可動に制限がありましたが、今回は似たデザインながらしっかりクリアランスが確保されており、太腿ロールはほぼ真横まで可能になっています。

 なのでこんなポーズも可能。

 腰部サイドアーマーもボールジョイント接続に変更されているので、股関節周りの重度はかなり増しましたね。

 立て膝も綺麗に決まります。

 エアリアルといえば立て膝なのでね。


 サーベルとエスカッシャンで。

 エスカッシャンの接続が固定になってしまったのはちょっと不便なところもありますね。

 あと、やはり爪先の可動が制限されるので、大きく脚を開い他状態で自立させたときにしっかり接地してない感じが気になる・・


 スタンドを使って後ろから。

 スタンド対応穴は股下にあります。

 下半身がセクシー(笑)。

 専用のフライトユニットもけっこう自由に動きがつけられてよいですね。


 ビットオンフォームで。

 ライフルが大きいこともあって、片手で持たせていると手首がへたりがちになります。

 ポリキャップレスの影響もあるかなぁ。


 ラストシューティング!

 サーベル二刀流で。

 なにかというとビットに頼りがちな戦闘になるエアリアル。

 しかしどこかで不協和音というか、噛み合わなくなるときが来る気がする。


 ただそれまではまだ・・

ス「みんな、お願い!

  ガンビットでの一斉攻撃。

 ビット系兵器のディスプレイにはセンスが要りますねぇ・・

 エアリアルの場合は数も多いし、なかなか劇中のような格好いい配置は難しいです。

 ちなみに、僕はディスプレイベースは3セットしか買っていないので、グレーのガンビットについては支柱パーツに両面テープで留めてます。


 ガンビットライフル、発射!

 さすがのスレッタも、学園内でこれをぶっ放すことはしませんでしたね。


 VS ウル & ソーン。

 12話時点での対戦シーンとして見てください。

 いや、まさかもうソフィが退場するとは思いませんでしたわ・・もっとしつこく絡んでくるのかと思ったけど、そっちはノレアの役目になるんだろうか?

 というか、シャディクはなにがしたいんだ? 

 15話ではサリウスも退場しそうな気配。

 あの声好きなんだけどなぁ・・


 絶体絶命のミオリネ。そのとき・・

ス「ミオリネさん! 助けに来たよ!

ス「やめな・・

ス「さい!

 ただミオリネを助けたい・・その一心だった。

 しかし、再びの襲撃の最中、自らの行いの意味を知ってしまったスレッタは・・


 以上、“HG ガンダムエアリアル(改修型)” でした。


 およそ戦闘向きではなさそうな見ためながら11基のガンビットによる圧倒的な戦闘力で数々の決闘を制したエアリアルが、もう見ためからモロに戦闘用という感じに改修されてしまって・・

 まぁ、14話での急展開というか、一気に話が進んだ感じも含めて考えると、番組的には視聴者に対してこれまでとは展開が大きく変わっていきますよ、ということをガンダムの姿をガラッと変えることでダイレクトに感じさせるというような意図があるのかもしれません。

 劇中での理屈はわかりませんけど。

 もうエアリアル=エリクトということは判明してしまったわけですが、娘の新しい身体だというエアリアルを、こんなガチムチ系にした母親の感覚はわからんなぁ。

 キット的には完全新規で、構造的に基型と似た部分もありながら、可動面で不満のあった腰周りのクリアランスが改善されていたり、専用フライトユニットのウイング展開、ビームライフルの変形ギミックなど、実際の機体設定に合わせたプレイバリューが追加され、改修型らしく基型からアップデートされたものになっています。

 インモールド成型パーツは主人公機の特権という感じですが、一方でダブルサイドシールは不採用になったことをどう解釈するべきか・・

 個人的にはホイルシールで十分ですし、どちらでもいいかな。

 ガンビット11機すべてのディスプレイにウエポンディスプレイベースが4セット必要というのは・・またやりやがったな、と思いましたけどね。

 なんでこういうつまんないところでケチつけるのかなぁ。

 誰もなんとも思わなかったんだろうか? 

 あと気になるのは、エアリアルがこれが最終形態なのかというところ。

 もう一回くらいなんらかパワーアップイベントがありそうですが・・

 武装追加とかだけなら、武装だけ別売りするんだろうか?

 御三家のMSも武装追加されるみたいだし。

 というかもうファラクトは新型のハンドガン持ってたし。

 水星の魔女武器セット発売されるのかな?


  といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。