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ZIPANG TOKIO 2020「伝統的な町並み 『富田林・寺内町』大阪府下では唯一の重要伝統的建造物群保存地区指定」 

2018.05.28 16:45


重要伝統的建造物群保存地区

1558年(永禄元年)、興正寺門跡証秀上人によって創建された興正寺別院を中心とした寺内町として誕生し、商売の盛んな在郷街として発展しました。
現在も創建当時の六筋七町の町割りや、重要文化財旧杉山家住宅、仲村家住宅など往時の繁栄を偲ぶ重厚な町家が数多く残されています。
また、1997年(平成9年)に国から重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。大阪府内で唯一の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

京都・興正寺第14世証秀上人が創建した寺院。
富田林寺内町はこの寺院を基に発展し、現代に至ります。城之門筋に表門をおき、鐘楼・鼓楼を構え、本堂・客殿・庫裏などを配しています。また、表門は、桃山城門のひとつが活用されていると言い伝えられています。

寺内町にある約500棟の建物の内、江戸時代から昭和初期頃までに建てられた181棟の建造物が伝統的建造物に特定されています。保存地区内において通常道路から見える建物等の外観の現状を変更(増改築、改修、模様替え、色彩の変更、新築、除却など)する時には、予め市教育委員会・文化財保護課に申請して許可を得る必要があります。伝統的民家(町家)は白壁、板塀、格子戸など往時の姿のままに外観の保存・復元・修景作業を終えて、今も人々が生活の場として暮らしながら、素朴で静かな佇まいを今に伝えています。 

寺内町の主だった商家には由緒・由来を記した案内板が設けられ、石畳の街路には路面灯を兼ねた道標や案内標識なども整備されています。電信柱の配置や各戸の電気メーターなどもできる限り目立たないような工夫が施されています。

また、寺内町では伝統的な町並み景観に配慮して、新しく建築される建物も周囲の景観に調和した外観となっています。


重要文化財・旧杉山家住宅

杉山家は寺内町富田林の創設にかかわった旧家の一つであり、江戸時代中期以降は造り酒屋として栄えた家柄です。富田林寺内町の古い町家は農家に類似した平面構成をもつことを一つの特色としているが、旧杉山家住宅はその中でも最も古い遺構であり、さらに江戸時代中期の拡張によって大規模商家に整い、座敷部も美麗で、質的にもすぐれた町家建築として大変に貴重なものです。

富田林寺内町造営の中心であった八人衆の筆頭年寄であった杉山家は、当初木綿問屋を営み、その後酒造業を始めた河内酒造業の肝いり役を務めた大商家。明治の明星派歌人・石上露子(いそのかみつゆこ)の生家でもあります。
寺内町最古・最大の南河内地方農家風建築様式であり、屋敷地は一区画(千坪、現在は430坪)を占め、当時の繁栄を見ることができます。


重要文化財・興正寺別院

富田林興正寺別院は,重要伝統的建造物群保存地区である富田林市富田林寺内町の中央に境内を構える真宗寺院である。本堂は,寛永15年(1638)の建立で,近畿地方における最古級の真宗本堂である。古式な平面や構造と江戸時代初期の装飾細部を兼備しており,初期の真宗本堂の成立過程を知る上で価値があります。
本堂北に対面所,境内東南には鐘楼,東北に鼓楼が建ち,山門と御成門を開く。
富田林興正寺別院は,本堂や対面所を中心に江戸時代末期に整えられた境内が良好に維持されており,富田林寺内町の歴史的景観に欠くことのできない存在です。

富田林興正寺別院 本堂
江戸前期 一間薬医門、切妻造、南北潜戸付、本瓦葺
重要文化財

本堂
江戸前期 一間薬医門、切妻造、南北潜戸付、本瓦葺
重要文化財

本堂
江戸前期 一間薬医門、切妻造、南北潜戸付、本瓦葺
重要文化財

富田林興正寺別院 対面所
江戸後期 桁行5.0m、梁間4.0m、二重、入母屋造、本瓦葺
重要文化財

富田林興正寺別院 対面所
江戸後期 桁行5.0m、梁間4.0m、二重、入母屋造、本瓦葺
重要文化財


富田林興正寺別院 山門
江戸前期 一間薬医門、切妻造、南北潜戸付、本瓦葺
重要文化財

山門
江戸前期 一間薬医門、切妻造、南北潜戸付、本瓦葺
重要文化財

御成門
江戸中期 一間棟門、切妻造、本瓦葺、南北袖築地塀付、桟瓦葺
重要文化財

御成門 
江戸中期 一間棟門、切妻造、本瓦葺、南北袖築地塀付、桟瓦葺
重要文化財

富田林興正寺別院鐘楼
江戸後期/1810 桁行一間、梁間一間、入母屋造、本瓦葺
重要文化財

鐘楼

富田林興正寺別院 鼓楼
江戸後期 桁行5.0m、梁間4.0m、二重、入母屋造、本瓦葺
重要文化財

鼓楼
江戸後期 桁行5.0m、梁間4.0m、二重、入母屋造、本瓦葺
重要文化財

地元の人からは御坊さん(富田林御坊)として親しまれています。平成26年(2014年)本堂、鐘楼、鼓楼、御成門などが国の重要文化財に指定されています。


大阪府指定文化財・仲村家住宅


富田林寺内町造営に関わった八人衆の一人であった仲村家は屋号を「佐渡屋」といい、酒造業を営んでいました。造り酒屋として著しい発展を遂げ、天明5年(1785)の酒造米高は、河内国で最高の2135石に達しました。
文人墨客が数多く訪れ、長州藩士吉田松陰も訪れております。

仲村家には、吉田松陰も訪れたという「吉田松陰像(油彩)東京芸術大学美術館 蔵」 


5月18日開催の文化庁文化審議会において、富田林市寺内町の重要伝統的建造物群保存地区は都市計画道路の廃止に伴い,旧寺内町全域を保存地区に追加選定されました。
(当サイトの5月24日の掲載記事をご覧ください。)


寺内町追加地区



協力(順不同・敬称略)

観光交流施設きらめきファクトリー 大阪府富田林市本町19-8 電話:0721-24-5500
文化庁 〒100-8959 東京都千代田区霞が関3丁目2番2号電話番号(代表)03(5253)4111


鎹八咫烏 記
伊勢「斉宮」の明和町観光大使