心に響く先人の教え
今回の記事は、過去に残した雑記から拾い読みし、心に響いた教えをお伝えします。
1 はじめに
生涯現役の医師を貫いた聖路加国際病院名誉院長「日野原重明」氏の教えです。
日野原医師は、2017年に105歳で亡くなるまで医療の現場に立ち続けました。
生前、先生が良く口にしたのが、次の言葉でした。
命とは、その人の生きている時間です。
(日野原重明)
今回は、この言葉を取り上げました。
2 命とは、生きている時間
今から11~12年前、日野原重明医師は101歳で未だ医療現場に立ち続けていました。そして、テレビ番組で先生の特集が組まれていました。
医療の現場では、当然、命についての話題が事欠きません。
先生は、人の生き方について、
「有り難うと言いましたか?
有り難うと言われましたか?」
と問い、「有り難う」は相手に安心を与える言葉だと述べ、
「命とは、その人の生きている時間です」
と答えていました。
〇その人が、他人(ひと)に何かをしてあげる事は、その人の命を使っていること。
〇誰かに何かをしてもらった事は、その人の命を貰ったこと。
その為「有り難うの気持ちが必要だ」と話していました。
人が死ぬときに「有り難う」と言う事は、残された人に安心感を与える
とも語っていました。
私の様に70歳近くまで生きて来ると、関わりのあった随分多くの人が、過去の人になりました。走馬燈のように瞼に浮かぶ思い出は沢山あります。
いつも思いますが、同じ時代の同じ時間を生きていても、人それぞれに残された時間は違います。
命とは、「生きている時間」(残された時間)であるのを、しみじみ感じます。そして、多くの人が、大切な人の為に時間(命)を削って生きています。
やはり、日野原先生が言う様に、命の大切さと「有り難う」の気持ちは同類であると思います。
3 雑記の拾い読み
(1)利害より道理を考える
君子は義に喩(さと)り
小人(しょうじん)は利に喩る
(「論語」里仁)
君子は正義や道理に叶っているかどうかを考えるが、小人は自分の利害を先に考える、の意。
(道理とは、正しい筋道、もっともな事)
自我の意識で行動せず
自我の認識で行動する
徳の高い人は、自分の都合の良し悪しよりも、まず道理考えて行動するものである。
(2)常識に囚われない
国語辞書を引くと、常識とは
健全な社会人ならば持っているはずのごく普通の知識・判断力
を云います。
一見すると、道理だとか、普遍性・妥当性などと同類のようですが、常識には曖昧さや不完全さが含まれています。
自分の常識が、相手の常識では無かったりします。
その為、常識には、普遍性・妥当性とは異なる様々な要素が関係します。
それが、
「常識に囚われない」
へ通じる所以(ゆえん)だと考えます。
(先人の名言よりー)
〇汝の道を歩め。
人々をして、その言うに任せよ。
(ダンテ)
〇想像力は、知識よりも大切である。
(アインシュタイン)
〇想像力は、万事を左右する。
それは、美や正義や幸福を作る。
それらは、この世の万事である。
(パスカル)
最近の世界情勢を見ると、常識や道理が中々通じない時代だと思います。
パスカルの名言は、
〇美や正義や幸福が、この世の万事である
〇想像力が、美や正義や幸福を作る
〇想像力が、万事を左右する
と伝え、常識や道理が通じない場合には、常識に囚われず知識(常識)より「想像力」が大切である、と教えているのだと思います。
4 おわりに
今回の記事では過去の雑記を拾い読みして
〇命とは何か?
〇常識に囚われず想像力を生かす!
と云う【先人の教え】を取り上げてみました。
少しでも、参考にして頂けたら幸いです。
懐古庵主