1日1分
「時間がなくて俳句の勉強が出来ない」というご相談をよく受けます。
たしかに大きな問題です。
なにしろ時間がふんだんにある時期なんて、人生、そうそうありません。
学生は勉強やアルバイトで忙しいですし、
定年退職後も何かと忙しいものです。
限られた時間でがんばるしかありません。
私は次のことをおすすめします。
1日1分、俳句に親しむ。
1年365日で365分。およそ6時間。
なにげに大きいと思います。
そもそも6時間もぶっ通しで俳句の本を読んだことがある人は、
意外と少ないのではないでしょうか。
1日1分で6時間分の効果を得られるわけですから、
すごいことではありませんか。
(注意:あやしいサプリを売りつけようとしているわけではありません)
じっさいのところ、現役世代の俳句人口はとても少ない状況です。
私のまわりも俳句を辞めた訳ではないけれど、開店休業状態という人は少なくありません。
現役世代のみならず、定年後も老老介護や自身の体調の問題で時間が取れないという方も多いです。
しかし、経験則としては、忙しいときこそ、よい俳句ができます。
途絶えない、持続的ということが、いちばん大事な気がします。
1日1分で十分なわけですから、あとは気持ちの問題。
以下、よく句会などでお話ししている個人的な勉強法ですが、
私が俳句を始めた15、6歳の頃、
『日本の詩歌』第30巻 俳句集 』(中公文庫)を毎日読むことを習慣にしていました。
(当時は勉強とも思っていませんでした。勝手に習慣になっていました)
いまは絶版になっている本ですが、
明治から昭和のおもだった俳人たちの作品と、
山本健吉や飯田龍太らによる名鑑賞が一つになったもので、
初学の私にとって「詠み」と「読み」の土台になった本です。
すべてが新鮮で、飽きることなく、くりかえし読んでいました。
この本を手にとったのは偶然ですが、
良い本から入ることができたと思っています。
なにより俳句にのめり込むきっかけになりました。
当時、学生とはいえ、時間がありませんでしたので、それこそ毎日数分ほど。
おもにトイレで読んでいました。
それでも十分、俳句が体に入っていきます。
お好きな本でいいと思います。
1日1分、おすすめします。