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ピアノ弾きの覚書

落ちこぼれ

2023.04.19 14:25



イタリアへ渡り、自分は「落ちこぼれ」だ、と感じました。

世界を股にかけ本物としてやっていく器なんて自分にはないな、って。





それが逆に良かったんだと今は思います。

開き直れた。





私の周りにはすごい期待の若者たちが何人もいた。




ブゾーニ国際

エリザベート国際

ルービンシュタイン国際

リスト国際

ダブリン国際

ショパン国際

チャイコフスキー国際

ヴァン・クライバーン国際



その他。

国際コンクール連盟の世界規模のコンクール覇者や入賞者が同級生にゾロゾロいた。

その後日本でも有名になったピアニストも沢山いる。

月に何度か個人レッスン外のセミナーで、上記の覇者たちが著名音楽家のレッスンを受けていた。



なんというか、レベルが違うんだな。



本当にこの人があの人?と思う時もあった。

ショパン国際ピアノコンクールで上位入賞した人でも、モーツァルトのピアノ協奏曲などで意外な面を見せたりしていたな。


かと思えば、まだその時は子供だったけれど、数年後に上記の国際コンクールで優勝していた子もいた。





自分はその時はっきりと自覚していた。

私には彼らのように準備ができていない。

最初のスタートラインがすでに別物なのだ。

夢は見ない。

現実の自分と向き合うのみ。








全く彼らとは別次元で「落ちこぼれ」であっても、私の中でプレッシャーや卑下は一切なかった。

その現実を知ることが何よりも救いだった。





続きはまた別に書こう。


歴史は私たち後世次第で何世紀もその存在を見せてくれる。

自分は、どうだろうか?