運動神経がいいとは
こんにちは、神保町、御茶ノ水のパーソナルジムトレーナーの井上です。
本日は運動神経について説明しましょう。
運動神経が良い、悪いと表現するときには運動を効率的に行うことができるかどうかという脳、脊髄も含めた神経系全体の働きを指しています。
スポーツなどの運動が苦手な人は運動神経がないということがありますが、実際にそのようなことはありません。
ちなみに神経は中枢神経と末梢神経に分けられます。
末梢神経は体性神経と自律神経に分類されます。
運動神経は体性神経の一つで脊髄から筋肉まで伝わる神経の種類の一つで、筋肉を動かす役割を担っている末梢神経のことです。
と考えると運動神経は誰もが持っている神経なので運動神経がないという表現は適切ではありません。
人が手足などの体を動かす時は、脳などの神経が体の神経回路を通して筋肉に指示を出します。
その指示が筋肉に伝わり、「自分が思ったとおりに体を動かせること」がいわゆる「運動神経が良い」ということになります。つまり、運動神経とは筋肉だけでなくこの神経回路もよく発達していることが重要だといえます。
筋トレは筋肉量を増やしたり筋力を上げる目的としては最適ですが筋トレだけやっても、神経回路を向上させる運動をしないと、実は運動は上手にはならないのです。
運動神経を上達させるには、自分の体が行っている動きを理解することが大事です。
人が目的を持って動くときは単一の動作ではなく、いくつかの動作が複合的に起こっています。
スポーツなどの運動はもちろん、歩いたり、立ったり、座ったり、走ったりなどたくさんの関節が動き身体全身が連動しているのが分かると思います。
いわゆる動きのトレーニングを行う必要があります。
動きのトレーニングはコーディネーショントレーニングやファンクショナルトレーニング、アジリティトレーニングやプライオメトリクスなどのトレーニングが必要になってきます。
これらのトレーニングはほとんど全身を連動させる必要があるトレーニングなので神経回路の向上に大きく貢献します。
一般的に使われている運動神経が良いという意味は、筋肉を動かす運動神経だけでなく、外・内界刺激を感知する感覚神経の機能や、それら感覚を統合する中枢神経の役割も大切になります。
例えば、、
バスケットボールを投げてゴールに入れる時
ボクシングの練習でいうと正確にミットに向かってパンチを打つ動作
野球でいうと飛んでくるボールをキャッチして守備に向かって正確に投げたりなど
身体を働かす運動神経の機能だけでなく、ボールの重さや自分の今の身体情報を知るための感覚神経、それらたくさんの感覚情報を計算する脳の機能も必要となります。
ボールがよくゴールに入る人やパンチの当て感などの機能が高い方は運動神経が良いというよりも運動能力が良いという表現が正しいかもしれません。