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Michiko Sano 2024

エレーナ・ブルガーコワ①

2023.05.10 10:54

はい。

今度の公演でこの方の役をやらせていただきます。


ミハイル・ブルガーコブの3番目の奥様ですね。

そしてお互いに三度目の結婚という。

彼のミューズと言われるような女性です。

確かに写真

美人ですね。


1929年に二人の不倫が始まりました。

このとき彼女は赤軍の将校と結婚しており

二人の子供までいました。

1929年に不倫関係になるものの

元夫にバレて、拳銃騒ぎがあり

エレーナは一人での外出も、電話も、手紙も夫に禁じられ

二人は泣く泣くもう会わないことを決めたものの

1931年には結婚してしまっているものだから

なかなかに熱烈なものがありますね。


「君がいなければ生きていけない。

そして死ぬときは君の腕の中で死にたい。」

とは

ミハイルからエレーナへの言葉



『アダムとイヴ』というブルガーコフの作品に

エレーナと元夫・シロフスキーとブルガーコフが

登場人物として出てきて

三角関係が繰り広げられるから

面白い。

劇作家って

こんなことまで書いてしまうのね。


元夫シロフスキーは

なかなかの人格のある、好人物として書かれてるところに

ブルガーコフの品の良さを感じてしまいました。


そして続く

『至福郷』も

SFの形を取りながらも

これまた男女の三角関係を軸に

体制側で要職にある婚約者から

ヒロインを奪い去るような物語。


有名な『巨匠とマルガリータ』の

マルガリータも

夫がいながら

巨匠に恋して飛び込んでしまう女性。


作品の中に留められた

ブルガーコフの恋したエレーナの面影を

うまく役作りに活かせたらいいな

と思いました。


作品の中で

今も二人は愛し合っているのね。

なんて。


しかし

すごいヒロイン像だなと。

モテモテだな、、、と。

愛ゆえに

それまでの環境を一切捨てて、

その男性に飛び込んでしまえるだけでなく

新世界に思いっきり飛び込んでしまえる

感化されて

自分をもガラリと変えてしまえる


そんな

大胆さ

純粋さ

愛情深さ


彼女は

愛に溢れてて。


そんなふうに魅力的なヒロインとして書かれてる

まさに

作家である夫と 

お互いの人生を分かち合うパートナーだったのだなと。

そんなふうに思いました。


スターリン体制下のソ連で

ブルガーコフは何度も出版停止や

上演禁止の憂き目にあいました。

『アダムとイヴ』も『至福郷』も

当時上演には至りませんでした。

それでも筆を止めることなく

書いては、止められ、書いては止められ、、、

作家として不遇な時期をエレーナは

愛情深さ故にパートナーとして

引き受けたのだなと思いました。


彼の死後

エレーナは

『巨匠とマルガリータ』

出版し

自分の夫を世界に知らしめました。


人生を分かち合うという愛の行為は

夫の死後も

続いていたのだなぁと

ロマンチックな気持ちになりました。