特定空家の問題
先日、リフォームコンパス東京表参道店にH様がお越しくださいました。
女性のお客様で、中学生ぐらいの息子さんを連れてお二人でお越しくださったのですが、
ご予約以外に事前のご相談はありませんでしたので、
まずは詳しくお話を伺ってみることにします。
ご計画はH様の現在の都内のお住まいとは別のご実家で、
築年数が60年以降経過した木造住宅で、現在は誰も住まれておらず、
10年以上空家になっているとのことでした。
そして、そこには大きな問題がありました。
建物・敷地の状況的に、建築基準法上接道しておらず、再建築不可の状態だということ。
接道というのは、建物を建てるための敷地条件として、建築基準法の「道路」に対して
2m以上接した土地になっている必要があることを指します。
また既存建物自体も、過去に申請を出さないままに増築をされている経緯があり、
そこも大きくハードルを上げている感がありました。
そして次の大きな問題が生じます。
そんな中、行政から「特定空家」の指定を受けることになってしまったのです。
特定空家とは、管理されている様子が見られず、
建物自体の安全性や近隣への衛生的影響などを鑑みて、空家に対して行政が指定を行い、
行政代執行で解体をされる可能性が出てきます。
当初H様は、借家にして利用されるお考えだった様ですが、
建物が古かったこともあり、収支が合わない計画になってしまったこと、
またその時の担当者とも相性が合わず、断念された経緯などをお聞きしました。
今回は改めて賃貸として検討するか、セカンドハウスとして利用するか、
ということで、まだ具体的に用途が確定している訳ではないのですが、
いずれにしても建物の修繕計画などを示し、
「特定空家」の指定を解除してもらうことが必要になってきます。
元々の建物の法的な問題や、建物自体の劣化具合など、非常に難しいお話ではありましたが、
まずは提案を受けてもらうことが大切になりますので、
3社のご紹介をさせていただくことになりました。
近年はしっかりとしたリフォーム会社の場合、法的に問題がある建物などは触れないケースも多く、
確実にご紹介会社でリフォームができる、という保証はなかったのですが、
少しでも前向きにお話を進めていただき、参考にしていただけたらと思いました。
H様、ご来店いただきありがとうございました。
Kousuke Kitamura