Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

琉球大学Bluegrass同好会

アメリカ最終編

2018.05.30 21:47

 はじめに、ついこの間いくつかのSNSを通して今回の記事を宣伝させて頂いたのですが、大変多くの反響がありました。本来の目的はブルーグラスを知らない方々に違う角度からその素晴らしさを表現することで日本におけるブルーグラスの需要を少しでもあげることともちろん、琉球大学のブルーグラス同好会の認知度を上げ、新入部員の加入に少しでも貢献できればというものでしたが、いろいろと回想しながら文にしていくことで整理されたり、新たな発見があったり、何よりも多くの方の嬉しい反応に自分自身が自信を得ました。本当にありがとうございます。


・発酵の世界

 ”自分の身は自分で守らなければ!”そんなことを思いだしたのもつい最近のことです。Kojoで菅さんをはじめお客さんや従業員など様々なところから影響を受けていた頃、現在の世の中、特に日本・アメリカなど先進国では食べ物に困ることなく、安く・速く・美味しいご飯をいただけるのはごくごく当たり前になってますよね。また、どんな料理にも化学調味料をちょいといれればあら不思議、とっても美味しくなっちゃいます。特に自分は今まで食事に関して気を使うことはほとんどなかったわけです。食べ物に関する優先順位はとても下の方でした。そんなある日、現代のネット環境が我々を洗脳・支配しているのと同様に食べ物も同じように支配され、更には自分自身が実験台になっているということに気づきました。テクノロジーの進歩に大きな恩恵を受けつつも化学調味料・保存料など化学的物質が身体に及ぼす影響は未知。というよりも多くの害、時には富を発表されながらも隠蔽される世界。医学の発展もおぞましいですが、一体それが本当に病人に対して効果があるものなのか、それとも単なるお金儲けのものなのか...。癌治療に関してほぼ確実な完治法が発見されたが、闇の中に葬られたのは割と有名な話ではないでしょうか。正直、なにが真実かはわかりません。そうです、つまり信頼できるのは自分自身なのです。ではどうするか?自分の身は自分で守らなくてはいけない。そんなことがきっかけで発酵に興味を持ち始めました。


・テネシーでの発酵

 そんな発酵に興味が湧いたことをKojoのフレンチシェフに話をした時に、日本からたまたま持って来ているという発酵の本を貸していただけることになりました。ふむふむ、と読んで著者のところに目をやるとそこにはテネシーの文字が。あらま、なんてことでしょう。どうやら著者の方は現在テネシーで発酵の研究をしながら人里離れた土地で生活してるらしいではありませんか。ということで今回、テネシーにいる間に是非とも彼から学びたい!ということでその旨をアプライしました。年に数回、ワークショップという形で活動していて、調べた結果、滞在中の3ヶ月の間に2回だけ行っているということだったのです。だがしかし!残念ながら両方とも予約で一杯でこれ以上は受け付けることができないとの返信が。だがだがしかし!その最後に、日本にも数回行かれたことのあるということもあり、特別に受け入れていただきました。日本人でよかったです。

 メールにある住所を目指して車を走らせると途中からもはや道ではなくなり、本当にこの先にあるのか心配になりながらも険しい斜面の山を登り、ダウンタウンから2時間ほど離れた場所に到着。本当に驚きました。もちろんのこと、食べ物はすべて自給自足、トイレもシャワーもあってないに等しい。この意味はご想像にお任せします。自然との共存とはまさにこのことなのかもしれません。そして1番驚いたのが、今回のワークショップに参加している方々は、わざわざこれのために遠くはヨーロッパから、他にもカナダやアジア、南米など全世界から足を運んでいたのです。そりゃ予約でいっぱいなわけだ。そこであの本の著者であるサンダーさんから発酵がどのように身体にいいのか、そして実際に発酵物を作ったり、昼・夜のごはんですべて発酵物から作られた料理を口にしたりと様々なことを学びました。目に見てわかる限りの彼らとの大きな違いは代謝の良さ、その村で生活している方々みなさんの発汗量が尋常ではありませんでした。非常に興味深かったです。日本は恵まれたことに多くの発酵食品に囲まれ、独自のものを作り上げてきた国であります。帰国後にそれらを学ぶのも楽しみです。是非ともみなさんの秘伝の発酵料理をこっそり教えてくださいね!


・ビジネス

 今のホステルに非常にタレント性のある方が遊びに来ました。日本にも1年間留学していたことがあるらしく日本語も喋れる南米生まれの陽気な方で、現在は彼とそのパートナーで経営している銃を販売するビジネスマンです。彼はフロリダを拠点にセールスマンとして全米を移動する中、テネシー州界隈への仕事の際は毎回、ここのホステルを利用するということで、ホステルのボスも粋なことに彼の滞在期間は自分と同じ部屋にしていました。そしてボスを含め3人で食事に行く機会だったり、2人でバーに行ったりして様々なビジネスの話をしたんですが非常に参考になると同時に面白い。1杯のビールで何時間も話していました(お店の方にはごめんなさい)。しかし本当に運がいいと言うか、導きというか、なんら大したことしてきてないただの学生の自分ですが、これまで多くの起業家・マネージャーの方々や社長さんとお会いしてお話する機会が多いです。そして一概して言えることが、みなさん"シンプル"。ここに今の自分が考えるすべての答えが詰まってます。今後も身近な出会いから、そのような刺激的な出会いまで全てに感謝して、学んで、素直な気持ちで吸収していきたいです。


・Punch Brothers

 アメリカを経つ1週間前に師であるChris Eldridgeから素敵なプレゼントがありました。みなさん、Punch Brothersが近々Newアルバムを発表するのをご存知ですか?つい先日、ChrisとベースのPaulのトラックを録り終えて完成したようです。そしてそのNewアルバムをかかえてのライブが昨夜(5/31)にダウンタウンから少し離れた小さなライブハウスで行われました。シーックレットライブと名打たれたライブは彼らが演奏するには狭すぎる100人ほどしか収容できない会場。ライブ前日に公にチケットが販売されたが3秒で完売になったと話題のライブにChrisがゲストとしてチケットをプレゼントしてくれたんです。最高の先生です。

 Punch Brothersに関しては以前にも説明したようにブルーグラスにのめり込むキッカケとなったバンド。ブルーグラスではないと多くの方がおっしゃられるように彼らの音楽は、新たなジャンル、もはやジャンルという位置付けの区別を超えた”彼らだけ”の音楽なのかもしれません。表現力のない自分があーだこーだ言及するよりも、是非とも1度彼らの音楽を聴いてみてください。きっと今まで味わったことのない刺激を受けるのではないかと思います。実はそんなPunch Brothersとしてのライブは2年近くアメリカ・カナダにいて初めての参加だったんです。それぞれの洗練されたポテンシャルが1つになるのはまさに、これまでの果てしない経験がジグソーパズルの1ピース1ピースのように集まって1つの大きな作品になったかの様。1音1音に歴史を感じる彼らの音楽は自分の求める芸術としての音楽でした。曲によってはまるで宇宙を感じ、アメリカのど田舎のスクエアの角に佇むコーヒー屋さん、深海の竜宮城、半世紀前のスペイン、そしてナッシュビルを今のナッシュビルを感じるような音楽の旅でありました。アメリカを経つ前の最高の一夜。残念ながら写真・動画は禁止だったため雰囲気はお伝えできません。

 いよいよアメリカ出国まで1週間になり、Chrisのレッスンも残り2回だけとなりました。Gランの練習だけで1日のレッスンが終わる日があるほどに基礎を叩き込んでもらいました。確実に3ヶ月前の自分からすると全てが変化・進化できたナッシュビルでのブルーグラス漬けの日々でした。そして今回学んだことをしっかりと自分のものにした上で、日本に帰ってからサークルの後輩たちに教えていければと思います。今回は、非常に忙しいスケジュールの合間を縫ってレッスンをとっていただいたChrisには本当に感謝です。今後の彼のご活躍を応援するのはもちろん、いつかステージの上で一緒にプレイできる日を目標にこれからも精進していこうと思います。

...ちょうど最後の作業をしている今現在(6/9/2018)は飛行機の中で、とうとうナッシュビルともお別れです。最後の1週間は寿司を一緒に作ったり、湖にピクニックに行ったり、カントリーフェス、キャンピングトレーラーの中で寝泊まりしたり、もちろんChrisのレッスンも受け、そして最後に全ての始まりであるマーフリズボロまで向かい苦楽を共にしたガボンの親友に会ってきたりと最後の最後までたくさんの人に可愛がってもらったナッシュビルでの生活でした。結局今回の留学で3回もアメリカに入ったり出たり、でも今回は本当にこれで最後になると思います。次に戻って来れるのはいつでしょうね?何十年後の話になるかもしれませんね。

オーナーのご夫妻はじめ、Chris、ホステルの仲間、ゲスト、ブルーグラス仲間、マーフリズボロの友達など多くの方々に愛を受けた3ヶ月でした。1年間の留学の延長は確実に想像以上のものを得れたと確信してます。


それでは、大好きなテネシーとみんな、さよなら!! また会う日まで。