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退屈と惰性と 改

TL メナソー レビュー

2023.04.22 07:45

 今回のレビューは、トランスフォーマー レガシー より、

“TL メナソー” です。


 レガシーにて装いも新たに開始されたディセプティコン スタンティコンのリメイクも3月のブレークダウンの発売をもって完走。

 “合体兵士 メナソー” 

の全貌が、ついに露わになりました。

 今回は、これまでに個別に取り上げてきたスタンティコン5人を振り返りつつ、合体形態であるメナソーについてレビューしていきたいと思います。


 レガシーWAVE1、日本でも初月のラインナップに入っていたドラッグストリップの発売を皮切りに、ワイルドライダー、モーターマスター、デッドエンド、そしてつい先日のブレークダウンで5人のメンバーが集結したスタンティコン。

 およそ8ヶ月・・案外短期間でしたね。

 レガシー1年めは結局WAVE3までだったんだよなぁ。

 いわゆるスクランブル合体戦士の系列だと、日本ではそもそもセット販売になったユナイトウォリアーズはもちろんのこと、パワーオブザプライムで発売されたダイノボット(ボルカニカス)やテラーコン(オボミナス)はそれぞれ単体でしたが同時発売されたものですが、最近はじわじわ焦らすように発売していく流れなんですかね。

 スタジオシリーズの実写版コンストラクティコン(デバステーター)しかり、MPG トレインボット(ライデン)しかり。

 モール限定ではシーコンズ(キングポセイドン)も2つずつとはいえ3回に分けての発売でしたね。

 さて、スクランブル合体戦士といいましたが、今回のレガシーバンスタンティコンはあくまでトイとしてのギミックであったスクランブル合体・・腕と脚の入れ替えを廃し、腕と脚はアニメ版のデザインで基本固定 。

 さらにとあるエピソードで見せた、巨大化したモーターマスターの腕と脚にほかのメンバーが貼り付くという合体(?)を再現した、なかなかに実験的な仕様になりました。

 そういう意味では、むしろスタジオシリーズ寄りという気がしないでもない。

 なお、レガシーでもこのスタンティコン5人は特殊枠で、シリーズ共通で付属しているエナジョンウエポンが付属しません。

 合体ギミックがその代わりということなんでしょう。


 ではでは、レビューしていきます。

 まずは発売順にメンバー5人をざっくりと振り返り。

 詳細はリンクより個別レビューをご覧ください。


TLー02 兵士 ドラッグストリップ

 新生スタンディコンのトップバッター。デラックスクラス。

 腕脚組のなかでも一人異質な存在感を放つ彼はトップの大役を担うに相応しかったと思います。

 アニメデザインの雰囲気を残しつつ現代ふうにブラッシュアップされたプロポーション、優秀な可動性。

 さらに合体ギミックの福次効果で上半身と下半身が分離可能など、今後への期待を抱かせるにも十分な役割を果たしてくれました。


 ビークルモードはティレル・P34がモチーフ。

 オリジナルトイ以来の6輪のレーシングカーを再現。

 ライセンスの取得はされていませんが、こちらも雰囲気の再現は見事。

 6つのタイヤもダミーはなく、すべて回転できるのでカーモデルとしてもいい感じです。

TLー07 テロリスト ワイルドライダー

 2番手で登場。デラックスクラス。

 こちらもアニメの雰囲気をベースにブラッシュアップ。

 ただ、ドラッグストリップと較べると若干スマートになり過ぎた感はありますね。あと、肩にタイヤがない。

 背中のガワはボンネット部を左右に展開しておくのがレガシー版のデフォルトになっているのですが、閉じておくほうがオリジナルの雰囲気には近いです。

 任意で展開するブースター的なもとの解釈すると面白い可動ギミックだと思います。


 ビークルモードはフェラーリ・308がモチーフ。

 角張った車体は実車のイメージに近いと思います。

 変形に若干のコツが要るのが難点ですね。

 個別レビューでは僕なりにベターを思う手順を解説していますので、ご参考に。

TLー13 スタンティコン参謀 モーターマスター

 リーダーが3番手で登場。

 レガシー初、そしてディセプティコンとしても初のコマンダークラス。

 コンテナ付きのリメイクも初でしょうね。

 オリジナルトイではコンテナ込みの一体変形でロボットモードになりましたが、今回は過去に何度かリメイクされてきたものと同様、キャブ部分のみでロボットモードに変形します。

 ロボット単体はボイジャークラス相当のサイズ。

 足首部分にダミーでキャブのデザインを再現するなど、オリジンナルの雰囲気は上手く再現されています。


 ビークルモードはケンワースKー100エアロダインがモチーフのトレーラートラック。

 腕脚組のビークルモードより、ちょっとアレンジは強めかもしれません。

 ロボットが変形したキャブに、今回の合体ギミックの根幹をなすパーツで構成されたトレーラーコンテナを連結させます。

 ゆえにコンテナはでかい塊で、ER オプティマスに付属するコンテナのような開閉、搭載ギミックはありません。


 コンテナは単独で分解変形させることで基地モードにも変形。

 基地というよりは前線に備え付けられたトーチカのような感じですかね。

TLー16 兵士 デッドエンド

 4番手。デラックスクラス。

 同じ腕担当のドラッグストリップと多少なりともパーツが共有されるものと思っていましたが、完全新規でした。

 構造面では似た部分もありますが、まぁビークルモードの形状がまったく違うので流用のしようがなかったのかな。

 デザイン的には脛のタイヤの位置など、アニメやオリジナルトイとの相違点もありますが、タイヤに関しては表面のディティ-ルで近付ける努力は見られます。

 ただ爪先はもうちょっとどうにかならなかったのか?


 ビークルモードはポルシェ 928がモチーフ。

 こちらもなかなかイメージに近い仕上がり。

 当初は車体後部が合いにくかったのですが、弄っているうちにさほど気にならなくなりました。

TLー24 斥候 ブレークダウン

(ディセプティコン ブレークダウン)

 トリを飾る5人め。デラックスクラス。

 つい先日レビューしたばかりですが、ここへきて、まさかのワイルドライダーのリデコです。

 正面から見える部分では頭部と胸部、腰部が新規造形されていますが、シルエットはワイルドライダーとほぼ同じ。

 さらにそれまで腕脚組には2丁ずつ付属した射撃武器が1丁に減らされたりと、なんとも不遇な扱いになった感があります。


 ビークルモードはランボルギーニ・カウンタックLP500Sがモチーフですが、これもリア部分の造形以外はワイルドライダーと同型。

 しかし、昨今のカウンタックモチーフでは頑なに無視されてきたリアウイングが外付けオプションパーツながら再現されていたり、ボンネットも塗装で頑張って雰囲気だけは近付けられています。

 しかし手持ち武器もボンネット裏への収納となり、ビークルモードで武装もできないなど、腕脚組のなかでも一人浮いた感じになってしまって可哀想・・

合体兵士 メナソー

 スタンティコン部隊5人が合体した大型戦士。

 個人的には日本語表記でメナゾールと呼ぶほうがしっくりきますし、語感的にも強そうなんですが、今回は原語発音に沿ってメナソーと呼称します。

 初代アニメ劇中では、デバステーターに継いで登場した合体戦士ですね。

 リーダーであるモーターマスターを中心に、

右腕にドラッグストリップ、

左腕にデッドエンド、

右脚にブレークダウン、

左脚にワイルドライダーが合体します。

 オリジナルトイはいわゆるスクランブル合体戦士の元祖として、オートボットのスペリオンの同時期に発売されました。

 しかし、今回のレガシー版では腕と脚を自由に入れ換えられるスクランブル合体は再現されず、アニメで一度見せたモーターマスターの腕と脚にほかのメンバーが貼り付くという謎合体を再現したものになっています。


 というわけで、あらためて全体像。

 後ろからも。

 さすがにアニメのようにモーターマスター本体が巨大化できるはずはなく、モーターマスター単体は胸部および頭部に変形。

 トレーラーコンテナを分離変形、再構成したボディフレームにモーターマスター以下の5人を組付けるという方式で完成します。


 こちらがメンバー5人、そしてコンテナを分離、変形させた状態で並べた展開図になります。

 実質、合体モードと呼べる専用の形態に変形するのはモーターマスターのみで、腕担当のドラッグストリップとデッドエンドはビークルモードのまま、ワイルドライダーとブレークダウンはビークルモードからボンネットのみ開いた状態で、各フレームに取り付けるかたちになります。

 なお、腕脚組の4人を合体させないまでも、モータマスターとボディフレームを組むだけで8割方メナソーになってしまいます。

 脛が空洞になってますけど、それ以外とくにおかしな部分はない。

 このままでも十分成立しています・・と言いたいところですが、やはりちゃんと合体させていきましょう。

 

 腕部については、フレームを展開しきらない状態でドラッグストリップあるいはデッドエンドを取り付け。

 そうすることでビークル側ロックが外れて前後が分割できるようになるので、そこからあらためてフレームを展開していきます。

 ドラッグストリップとデッドエンドでジョイントの形状、位置が違うため、左右を入れ換えての合体は不可能。

 腕部フレームごとなら左右を入れ換えることはできますが、その場合は当然肘の曲がる方向や拳の向きが逆になります。


 脚部はワイルドライダー、ブレークダウンを取り付けることでフレーム前側のパネルが閉じる仕組み。

 2人は同型のため、左右入れ換えての合体が可能です。

 逆にフレームを左右入れ換えることできません。足首可動の関係でしょうね。


武装類

アイオナイザーソード

サイクロンガン

 武器についてはモーターマスター単体で使用していたものをそのまま使用。

 なので、どちらも少し小さいですね。

 あと、コンテナの一部パーツが余剰になります。

 これはなにかしら利用できるかたちにしてほしかったですね。


比較画像

 まずはメンバー5人集結。ロボットモードで。

 リーダーのモーターマスターはボイジャークラス相当としても大柄で、イメージ通り。

 ほかの4人もデラックスクラスで身長はおおよそ揃っていてまとまりがあります。

 脚担当の2人がちょっと華奢な印象はありますが。

 

 ビークルモードでも。

 コンテナを連結したモータマスターの圧倒的な存在感・・

 ひょっとしたらドラッグストリップが変形するレーシングカーが実際よりも大きめなのかもしれませんが、こちらでもなかなかよいサイズ感だと思います。


 ユナイトウォリアーズ(UW)版と。

 UWも、始まったときはこれはもうすごいシリーズが来たと思ったものです。

 今でもその思いは変わっていませんが、このメナソー(メナゾール)の完成度に関しては・・さすがに較べるのが酷ですかね。

 まず安定感が雲泥の差。UW版はそもそも自立すら危ういバランスですからね。

 アニメやオリジナルイメージの再現度という意味でもレガシー版が大きく引き離した感じです。

 物理的にも一回り以上大きくなりました。


 ライバルのスペリオン(UW版)と。

 UW系コンバイナーのトップバッターにしてもっとも安定しているスペリオンですら、このレガシー版メナソーと並ぶと貧相な印象になってしまう。

 エアリアルボットの再リメイク待ったなしですね。


以下、画像

 まず合体前の状態で。

 リーダーのモーターマスター。

 デ軍のなかでも高身長なイメージがあるモーターマスター。

 過去に何度かリメイクされているキャラではありますが、やっぱり今回が一番かなぁ。

 武器も単体で持つぶんにはすごい迫力です。


 腕担当の2人。

 似た構造を持ちつつ、まったく違う見ためで完成した2人。

 ともに上下分離ギミックがあるので、こんなことも可能だったりします。

 いつの間にツーインワンに進化したのか・・


 さすがにビークルモードだと違和感しかないですが。

 なお、ジョイントの形状がまったく同じということではないので、ロボット、ビークルともにしっかり固定できるわけではありません。


 脚担当の2人。

 こちらは実際に同じ型。一部パーツのみが変更されているリデコ関係です。

 ワイルドライダーもいい迷惑だよ・・


 ブースター展開!

 レガシーで新たに採用されたギミックですね(違う)。


 みんな揃って。

 こうして見ると5人バラバラでみんな個性的。

 でも、わりとチーム内の関係性は良好なんですよね。デ軍では珍しいことに。


 基地モードに変形させたコンテナと絡めて。

 基地にもしっかりボリュームがあってよいですね。

 補給と整備もばっちり。

モ「よぅし、スタンティコン、出撃だ!

スタンティコン5体合体! メナソー!!

 メナソーの可動は実質的にコンテナを変形させたフレームに依存していることもあり、PP プレダキング並みに安定しています。

 各可動部にはクリックが仕込まれ、保持力も問題ない・・んですが、どうも今回の合体時に左腕の付け根のクリックが破損してしまったようで、水平位置まで持ってくればパーツ同士の渋みでか、なんとか角度を保てるんですが、それ以下だと腕がプラ~ンと垂れ下がるようになってしまいました。

 悲しい・・


 各部の可動について、まずは上半身。

 腕部は付け根で回転、さらに水平方向に可動。

 肘は90度曲げられ、上腕との間で回転。

 拳ももちろん回転します。でも拳は、このサイズなら指の開閉くらいはして欲しかったかな。

 下半身に移って、腰は回転可能。

 脚部は付け根で前後、左右に可動し、太腿でロール。膝は90度曲がります。

 足首の内側への可動は45度くらいですかね。

 前後には動かないので、しっかり自立させようと思うとけっこう脚部の動きは制限されます。

 立て膝は・・膝が着いていないので厳密には立て膝ではないですが、それらしい格好はどうにか可能。


 余剰になってしまうコンテナのパーツですが、こんなふうに開いて背中に付けてウイングっぽく見せるのが関の山かなぁ。

 もっとバラバラにできて、追加装甲みたいに各部に取り付けられたりしたら面白かったかもしれません。


 あとはそうですね・・

射撃武器があまりに小さいので、

基地モードの砲台ほぼそのままの状態にして大型のキャノン砲っぽく。

 右腕側はこれ、拳を隙間に入れているだけ固定はできていません。

 でもまぁ、悪くないんじゃないかな。


 VS スペリオン。

メ「スペリオン、今度こそ決着を付けるぞ!

ス「な・・なんだ? 今までのメナゾールじゃない!? とてつもなく大きく見えるぞ・・

 実際でかくなってるし。

 剣持ってるけど、その持ってる拳でどーん!

 さすがに体格差があり過ぎますね。

 デバスター、プレダキングに続いてメナソーもでかくなって・・オートボット側の合体戦士もこのままじゃ勝ちめがないよ。

 

 以上、“TL メナソー” でした。


 彼らだからこそできた、ある意味反則と言われそうな合体ギミックで抜群の安定感と高いアニメデザイン再現度を獲得したレガシー版スタンティコン。

 合体モードのクオリティを優先するあまり単体のクオリティが犠牲になってしまうというパターンが過去にはありました、

 PP プレダキングがまさにそれで、プレダキング状態での安定感、可動性、そして当然見ために関しては申し分ない(あえて最高とは言わない)一方で、分離状態の5人のメンバー単体の出来は・・個人的にはとても褒められるものではありませんでした。

 今回のレガシー スタンティコンはそもそも単体で発売されているので、まず単体のロボットモード、ビークルモードの出来で勝負する必要があります。

 その点では、まず5人全員合格。

 まぁ、最後のブレークダウンで若干ケチがついてしまった印象はありますが・・

 そして合体状態のメナソー。

 実質モーターマスターがほぼほぼ1人で重責を担っている感もありますが、ゆえにコマンダークラスの地位(?)を与えられ、見事その役割を果たしてくれたと思います。

 結果として、レガシー スタンティコンは単体状態、合体状態のクオリティを高いレベルで両立することができました。

 単体それぞれはもちろん、5人のチームのトータルで見たときの完成度・・なによりこちらが味わえる満足感は素晴らしいものになったと思います。

 コマンダークラス1つにデラックスクラス4つ・・価格的にはタイタンクラス並なので、そうでなくては困るんですが(笑)。

 願わくばほかの合体戦士も再リメイクされて、同様の満足感を味わわせてほしいものですが、今回の方法はスタンティコンでしか使えませんからね。

 やはり当分の間は、UW版で我慢するしかないのかな。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。