表・式・グラフの一体性。
私立中に通う子たちに向けて、
一次関数の指導を行ってしばらくたちます。
問題自体に解けない問題はなく、
ここまで学校の授業を聞いて、自分で演習して
解けるようになっているという時点で
よくできていると感心するものです。
指導者が見ているのは、いかにそれが
自由に使いこなせているか、その次元に
足りない考え方は何か?ということです。
まず、この表を見た段階で瞬時に
y=3x-2と立式ができるくらいの次元であること。
増加量計算を行って変化の割合を求め、
代入をして切片を求めて・・・とか、
y=ax+bに対して座標を二つ代入して
連立方程式によって式を求めるとか、
大抵初学者に多い解き方がこれなのですが、
表を見た段階で変化の割合は3だと即答できますし、
x=0の時のyの値を見れば切片だって即答できます。
まずは、表と式の関係が完全であること。
概念が完成されていること。
そして、増加量の概念について。
変化の割合=yの増加量/xの増加量
という式によって、yの増加量はxの増加量に比例することが
はっきりと分かりますから、
例えば上の式においてxの増加量が5であれば、
5×3=15とyの増加量を即答できるべきですし、
yの増加量が-12であれば、
-12/3=-4とxの増加量を即答できるべきなのです。
そして、それをグラフ上の矢印を使った
図によっても、拡大図・縮図的に増加量を
理解できているということも重要で、
先々の応用問題を自由に捌けるかどうかは、
大抵この表・式・グラフがうまく噛み合うように
頭の中で整理し、洗練されているかどうかということが
重要であるように思います。
ただ解けるだけではなく、全体が噛み合うような
正しい方法・考え方によって考えてゆき、
その方法に基づいて思考を行っていく中で、
正しい演習というのが可能になってゆき、
正しい知識が身についていくものです。
私立は基本的に復習型で授業を進めますが、
ただ解くだけならこの子たちは容易に正解に
たどり着いてしまいます。
しかし、それでも足りない、もっと洗練させるための
何かを与えて、応用問題、先の先までを綺麗に
解いていってほしいですから、解き方の一つ一つに
注意深く目をやり、さっさとショートカットして
解いていくための眼を持ってほしいなと期待しています。