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世界でも躍進!日本のナチュラルチーズ

2016.05.13 03:52

「Japan Cheese Award 2014」で高評価を得た“ジャパニーズ・チーズ”は、果たして海外ではどのように評価されるのだろう――。

日本のチーズのさらなる可能性を求めて、「Japan Cheese Award 2014」で金賞を受賞した工房のチーズが国際コンクールに出品されました。

2015年6月、フランスのトゥール市にて第2回目の開催となったMondial du Fromage(モンディアル・デュ・フロマージュ)。
その模様を振り返りましょう。


Mondial du Fromage(モンディアル・デュ・フロマージュ)は、2013年に始まった、チーズおよび乳製品のプロ向けの国際見本市。

会期中に、「Concours Mondial du Meilleur Fromager(フロマジェコンクール)」「Concours International Produits(国際チーズコンクール)」という、2つのコンクールがメインイベントとして催されます。

チーズプロフェッショナル協会が参加するのは前回に引き続き2度目。
「Japan Cheese Award 2014」で金賞を受賞した工房のチーズのエントリーから出品までバックアップを行い、展示会にも出展。
世界のプロフェッショナルへ日本のチーズを紹介しました。

 


■国際チーズコンクール 2015(6月8日開催)

 

会期の中日に催された「国際チーズコンクール 2015」。
世界中から出品された約600のチーズおよび乳製品を89のカテゴリー(内、ヨーグルトが4)に分類。
80名ほどの審査員が審査にあたりました。

日本からは11工房28品のチーズがエントリー。
すべて「Japan Cheese Award 2014」で金賞を受賞したチーズ工房のものです。

ヨーロッパ、米国、日本など各国のチーズ関係者からなる審査員は3名で1組となり、それぞれ約15品を審査しました。

日本からの審査員8名のうち4名は、Japan Cheese Awardで審査員を務めたC.P.A.会員。
日本で訓練を積んできたアワード審査員にとっては海外でのジャッジを体験する機会となりました。


説明を受ける審査員。
各テーブルには口をリフレッシュするための林檎が置いてある。


各国混在の審査チーム


審査項目は、「チーズの見た目」「口に入れたときの組織」「チーズの味わいと香り」と3つの項目に分かれていて、それぞれ5点、5点、10点の20点満点で採点するシステム。

審査員それぞれが付けた得点を参考にしながら、カテゴリー(グループ)ごとに金賞、銀賞、銅賞を選出し、さらに金賞の中でも特に優れたものには「Super Gold(スーパーゴールド)」が授与されます。

2015年は、新たに「パスタフィラータ」などのカテゴリーが新設。
フランスで開催されるコンクールではあるものの、世界各国から様々なチーズが集まりやすい、開かれた国際大会となっていることが感じられました。

審査の結果、日本のチーズは、なんとスーパーゴールドが2品、金賞4品、銀賞1品、銅賞5品という計12品が選ばれました!

★受賞結果の詳細については こちら

スーパーゴールドを受賞した千葉県の高秀牧場の「草原の青空」と長野県のアトリエ・ド・フロマージュの「ブルーチーズ」は、共に青カビタイプのチーズ。


「Super Gold」を受賞したアトリエ・ド・フロマージュの「ブルーチーズ」。
余韻に残るUMAMI に本場のプロフェッショナルも大絶賛。


同じく「Super Gold」の高秀牧場「草原の青空」。
ともにブルーチーズが栄冠に輝いた。

日本でも珍しい青カビタイプのチーズがそのカテゴリーにおいてもトップの賞を射止めたのは大変センセーショナルなことでした。

特にアトリエ・ド・フロマージュの「ブルーチーズ」は、「Japan Cheese Award 2014」でもグランプリを獲得しており、これで国内大会に続き2冠を達成。


広島県の三良坂フロマージュの「フロマージュ・ド・みらさか(牛乳製)」は前回の開催でも出品し、そのときは銀賞でしたが、今回は惜しくも銅賞。
でも、初出品の「フロマージュ・ド・みらさか シェーヴル」は金賞、「カレ・ド・ラヴァンド(シェーヴル)」は銅賞と、この工房だけで3つも賞を獲得しました。


柏葉に包まれた「みらさか・ド・フロマージュ」は初出品のシェーヴル製が銀賞を、牛乳製も銅賞を受賞。

また、過去にヨーロッパでの国際コンクールで受賞歴がありながら、前回は受賞を逃した北海道の共働学舎新得農場「さくら」も金賞を受賞。

 

メダル受賞の賞状を手にするアトリエ・ド・フロマージュの塩川氏(右)と共働学舎新得農場の宮嶋氏(左)


そして、フランスではオーソドックスではないタイプのチーズの受賞も光っていました。

北海道の町村農場「町村農場クリームチーズ」は金賞、前出の乳ぃーずの物語のデザート系「なかよし恋よし」は銅賞、同じく前出のファットリアビオ北海道のイタリア系「クアルティローロ」は銅賞を獲得。


「初めの一歩」として、大きな躍進を遂げた日本のチーズたち。

さらなるレベルアップを経て、「Japan Cheese Award 2016」では、どんなチーズが注目を浴び、そして、2017年に開催される「モンディアル・デュ・フロマージュ」にも挑戦することになるのでしょうか。

※前回の「Japan Cheese Award」で金賞を受賞した工房やチーズ、「Japan Cheese Award 2016」に向けて白熱する審査員研修の模様などを今後レポートしていきます。
乞うご期待!