【Gold Crafters #11】「共働学舎新得農場(北海道)」宮嶋 望さん
シリーズ【Gold Crafters】、今回は「共働学舎新得農場(北海道)」宮嶋 望さん。
チーズプロフェッショナル協会の副会長でもあり、おなじみの宮嶋さんではありますが、今回は“つくり手”の一人として、改めてお話を伺いました。
前回のアワードでは「ラクレット」が外国人審査委員賞を受賞。国際チーズコンクール2015では、ソフト酸凝固タイプの「さくら」がゴールドを獲得しました。
宮嶋 望さん
1951年、前橋市生まれ東京育ち。自由学園最高学部卒業。米国ウイスコンシン州で酪農実習、ウイスコンシン大学酪農学でB.S.取得。1978年十勝新得町へ入植、新得共働学舎を開設。1984年よりチーズ製造開始。1991年に新チーズ工房を建設し、本格的な製造販売を開始。
牛乳生産過剰時代に乳を出荷できなくてチーズづくりを開始しました。その後、新得町長から「一村一品」としてチーズを作ることを勧められ、特産物加工センターを任され、チーズ製造開発を開始することに。8年の研究を経て、新工房を建設しました。自家乳を加工し、チーズの開発・販売を手掛け、ほぼ全量(300数十トン/年)を加工しています。
Q2 チーズ製造者を目指した、もしくはチーズづくりに目覚めたきっかけは?
まずは牛乳を無駄にしたくなかったということ。扶養人数が増え続け、乳の出荷では賄えないために加工し、付加価値を高め、収入を増やすことを考えました。手の遅い人たちと働くために時間のかかる長期熟成タイプチーズを目標としました。
Q3 これから目指していることは何ですか?
チーズ、牛のいる生活から生まれ育ち、自然と特色づけられていく、そんなチーズと共にある生活を大切にしたいです。
Q4 消費者へのメッセージをお願いします
チーズを食べて、口の中から広がる風味や香りから、生活の中での幸せなひと時を提供できたらと思います。同時に、私たちの農場が大切にしているくらしや考え方を、五感と共にお届けし、素敵な人の輪が広がったらいいなと感じています。
Q5 チーズつくりにおいて、大切だと思うことは何ですか?
すべてが大切。草、牛、乳、人、環境、微生物との共生、愛される商品づくり。
Q6 5年後、国産ナチュラルチーズの状況はどのようになっていると思いますか?
5年後には日本のチーズが海外(アジア)に出ていき、売られているでしょう。そのためにはGIを取得し、統一された品質である程度の量が示されなければなりません。十勝以外でも地域のチーズが取り組まれているはずです。
●共働学舎新得農場
北海道上川郡新得町字新得9-1
tel.0156-69-5600
主な商品:
ラクレット(セミハード)
さくら(ソフト)
シントコ(ハード)
レラ・へ・ミンタル(セミハード)
酒蔵(ウォッシュ)
笹ゆき(白カビ)
雪(白カビ)
コバン(白カビ)
牛乳山クリームチーズ(フレッシュ)等