【私、リーダー務めます #09】小平美和さん
【私、リーダー務めます】第9弾は、国内のチーズ工房を巡り、「Lovely Cheese」という自身のサイトで国産チーズを日々応援している小平美和さんです。
小平美和さん
東京都出身。大学卒業後、メーカー会社に就職。約9年で祖父母の介護のため退職。介護生活の傍ら、チーズプロフェッショナルを取得。「フェルミエ」やブーランジェリー「シニフィアン・シニフィエ」でのアルバイトでチーズの管理や販売を経験。その後、法律事務所に勤めながら全国のチーズ工房・牧場を訪問するようになる。国産チーズ応援のため「Lovely Cheese」を立ち上げ、チーズファンを広げる活動を継続。日本経済新聞土曜日版「NIKKEIプラス1」お取り寄せ国産チーズランキングの審査員も務めた。現在は1歳の長男子育てに奮闘中。
Q1. チーズにはまったきっかけは?
物心着いた頃からチーズが大好きでした。食いしん坊一家で育ったおかげで、小さな頃からナチュラルチーズを食べていました。
拍車がかかったのは社会人になってから。当時勤務していた会社でなぜか北海道ナチュラルチーズの斡旋販売があり、担当者もビックリな「段ボール箱買い」をしていたのを思い出します。その頃から、自分が美味しいと思ったチーズを友人に分けて、周りをチーズ好きに変えていく趣味(?)があったようです。
その後、チーズのスクールがあることを知り、通い始めたところ、どっぷりとその魅力にはまってしまいました。チーズの美味しさはもちろん、製造や歴史、酪農についても興味が湧いて、どんどん楽しくなりました。
2006年にチーズプロフェッショナルの資格を取りましたが、その頃から日本のナチュラルチーズについても知りたくなり、全国チーズ工房巡りが始まります。当時は日本のチーズに関する情報がほとんど無かったので、とにかく現地へ行って、生産者の方々から直接お話を伺いました。日本全国、北海道から沖縄まで100軒以上訪問させていただき、チーズだけでなく、それを造る人、動物たち、土地の魅力、等々あらゆる面に想いを寄せるようになりました。
Q2. チーズに関して普段どんな活動をしていますか?
「Lovely Cheese」という名で、国産チーズを広める活動をしています。たくさんの人に日本のチーズを好きになってもらいたいな、との思いで、チーズの魅力やその背景についてもお話ししながら、美味しく楽しく食べて飲もう、という会を開催してきました。始めた当初は「日本のナチュラルチーズを食べるのは初めて」とか「日本にもこんなに美味しいチーズがあったなんて!」というお声を多く頂戴しましたが、ここ数年では、かなり国産チーズの人気が高まっていることを感じるようになりました。
Q3. 個人的に好きなチーズ、またはチーズ料理をひとつ挙げるとしたら?
これはよく聞かれるのですが、好きなものが多過ぎてどうしても決められません!
Q4. 品質評価セミナーや研修会を通じて学んだことで、特に印象的だったことは?
感覚を、きちんと言葉で表現すること。食感ひとつとっても、人によって表現法方が様々だったのを、意見を出し合って共通の言葉にしていくのは難しくもあり、楽しいことでもありました。
Q5. 国産ナチュラルチーズの品質評価において、大切にしていることは?
先入観をなくし、目の前のチーズにきちんと向き合うこと。あとは、そのチーズにどんな想いが込められているか、生産者さんがどんなチーズを造りたかったか、しっかりと考えること。
Q6. 生産者の方にむけて“ラブレターをしたためる”ように、フィードバックシートを書くという大切なミッションを担うリーダー審査員。そこで、あなたの「愛に溢れるエピソード」を何か教えてください。(読み返したい本、聴きたくなる音楽、忘れられない映画、大好きな車、などなど)
チーズ工房・牧場訪問を始めたとき、「突然お邪魔して、ご迷惑じゃないかな、お話をきかせてもらえるかな」と内心ドキドキしていたのですが、行く先々でどの生産者さんも、とても温かく接してくださいました。見ず知らずの私に、製造を見せてくださったり、ご自宅でお話を聞かせてくださったり、逆に私の熱い想いを聞いてくださったり。本当に皆さま親切で感激の連続でした。私の中で「チーズを作る人に悪い人はいない」という持論がすっかり出来上がりました。(笑) 今でもその思いは変わっていません。チーズ生産者の皆さまから、本当にたくさんのことを教わりました。その感謝の気持ちを胸に、少しでも恩返しが出来るよう心掛けています。
Q7. 本番に向けての意気込みをどうぞ
時間をかけてじっくりと築いてきた「共通のものさし」で、ひとつひとつのチーズに丁寧に向かい合います。 そして、このアワードが、日本のチーズ界にとって有意義なものもなるよう頑張ります!