フィラデルフィアへ!
今週頭のMemorial day(戦没将兵追悼記念日)の連休を利用して、私たち夫婦と友人3人の計5人でフィラデルフィアに行ってきました。観光スポットもそこそこあるし、同じ東海岸なので2時間弱で行けるし、時差もないからアトランタから行く旅先としてはなかなか魅力的な場所。今回の旅の目的は、アーミッシュ(現代の技術をなるべく拒否して生きるキリスト教系の集団)の人たちの生活をちょっとだけ覗かせてもらう、というもの。アーミッシュについては別途ブログを書こうと思っているので今回は割愛。
アメリカに来た当初は中南米にしか興味がなくて、アメリカ国内なんてどこも行く所がないと文句を言っていたけれど、慣れてきてアメリカに関する知識も増えてくるとだんだん興味も沸いてくるもの。最近では国内でも行きたいと思える場所も少しずつ増えてきました。
フィラデルフィアがあるペンシルベニア州は現在のアメリカの基礎が造られた場所で、独立宣言や、合衆国憲法がここで起案・署名され(惜しいことにデラウェア州が5日先に合衆国憲法を批准したのでペンシルベニアは第2州となってしまったのですが)、アメリカにしては歴史を感じる場所です。アメリカ最初の13州の一つなだけあって、建国当初の13の星条旗や植民地時代の旗を色んなところで目にしました。
フィラデルフィアで一番有名なのは何といっても「自由の鐘」。アメリカという大きな括りで見ても自由の女神と並ぶくらい重要な存在。あまり写真映えしないからか世界のトラベラーからの知名度は低いですが(かく言う私もフィラデルフィアに行くまで知りませんでした)、自由の鐘はアメリカ的精神の象徴のような存在で、独立や奴隷解放など重要な局面で鳴らされてきたそう。長い行列に並んで(結構スイスイと進んだ)、私たちも鐘を拝んできましたが、つい「ふーん」で終わってしまいました。遺跡とかだったらもっと鑑賞しがいがあったんですが。やはりたかだか300年の歴史だと、人類の英知とか、それに対する畏敬の念とかなかなか持てない。ごめんね、アメリカ。
<これが自由の鐘>
一番フォトジェニックだったのが、アメリカ最古と言われているエルフレス小径(Elfreth's Alley)。ここは、小さな路地に30ほどの可愛らしい家が並ぶ住宅地で、一番古い家は1700年代初頭に建てられたそう。レンガに木製のドア、植木鉢、半地下などなど、まるでオランダの家みたい!ペンシルベニアは最初にオランダ人が入植してきたので、その影響が大きいのかもしれません。シャビーだけど、手入れの行き届いたカラフルで可愛いらしいスタイルの家は、アムステルダムの運河沿いにある伝統的な家屋そっくりだったのですが、どの家も誇らしげに星条旗を掲げて、あぁやっぱりここはアメリカだなぁと思い知らされます。星条旗って何だか能天気でイージーゴーイングな雰囲気になる気がするんですが、そんな風に感じちゃうのは私だけでしょうか。
個人的には中心地からちょっと外れたうらびれた住宅街が、今度はアイリッシュっぽくて気に入りました。特に、木製のフレームに飾りガラスをはめ込んだドアなんてアイルランドのスタイルそのもの。建国後のアメリカは、沢山の国から移民が押し寄せ、国籍によって社会的ステイタスや住む場所が異なっていたそう。今では意外ですが、アイルランド人やイタリア人は差別の対象だったそう。ガラス模様のドア枠を見て、もしかしたらこの地域にはアイリッシュが多かったのかもと想像してみたり。差別対象の人種構成がちょっと変化しただけで今も昔も同じですね。
<これがエルフレス小径>
<イギリス植民地時代の頃の旗(右)と13州時代の頃の旗。
赤色を抜き出してみました。写真で遊ぶのが楽しい!>
<ちょっと中心地から外れたところの路地。古いレンガ作りの家が隣同士くっつき合って建っています。この風景はベルギーのよう。アイリッシュ風のドアの写真を撮り忘れてしまったのが残念。。>
<おまけ>
フィラデルフィア名物のチーズステーキも食べました。
柔らかいパンにチーズを挟んで焼いたものに、大量のミンチ(または薄切り肉)を入れたのがチーズステーキ。味は単調で、ケチャップとマスタードがないと食べきれない!一生に一度でいいかな…。沢山歩いたのに帰ってきたら1キロ体重が増えていました。