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180602 北三陸久慈「やませ」~親潮からの冷たい霧

2018.06.02 17:55

 三陸沖は北の親潮と南の黒潮がぶつかることで北方系・南方系の多種類の魚の漁獲が可能な好漁場を形成しています。

 しかし親潮の流れや海水温が低すぎると黒潮がなかなか北上できず、春から夏にかけて三陸の沖合から冷たい霧を伴った気流が陸に流れ込んできます。

 この冷霧が太陽を遮り、長期の低温状態をもたらすと稲作に悪影響をおよぼし、稲の未開花や不稔、いもち病の発生などとなり、コメや他の作物の不作をともない、近世・近代を始め数千年にわたって「飢饉」をもたらしていたのです。

 幸い現代は、用水供給が満たされ、農作業も相当部分機械化され、充分な肥料の投入などにより収穫皆無は免れることができます。

 また、飢饉当時より多種類の作物栽培が可能となり、流通量販店の全国展開により食糧確保の労が軽くなってきたと言えます。

 それでも時として冷夏・冷害に見舞われ、自家用米を確保できない場合も考えられます。


 今年は「やませ」の兆候がゴールデンウィーク前から現れていて、いつもなら6月、7月ぐらいが「やませ」本番なのに、少々気がかりな気候となっています。

 今日は、市街地の西側は陽射しもあり暖かだったのですが、午後4時過ぎから冷霧が流れ込み、夕方6時半頃は勢いを増して市街地全体を包み込むばかりでした。


 夕方「やませ」の確認で久慈川・長内川の合流する「アンバーホール」=久慈市社会文化会館東を歩いたら、昨日か一昨日に「子熊」が出たということで警戒中、久慈川の川辺には帰りそびれたか一羽の白鳥が首をひねらせて警戒、野鳥があわてて泳ぎだしていました。

 郊外から見た市街地上空はあらかた霧に覆われるばかり、自然現象とはいえ北三陸特有のジオ的景観を再確認するばかりでした。