「第二の家」ブログ|藤沢市の個別指導塾のお話

塾と物語③

2023.05.06 15:05


塾と物語というシリーズを続けています。


その舞台は、どこかの街にある小さな塾。塾長一人に、講師が数名いるようです。もちろん注意書きにあるようにフィクションです。


物語を通して、色んなことが読んでくれた人に伝わるように、あれこれ模索しながら書いています。よかったら気軽にご覧いただけると幸いです。


第三弾は「響き」というタイトルです。


「学校に行きたくないんです」


転校して少し経った頃

私は友達ができないことや

不安ばかりの日々に耐えられなくなって

信頼できる塾の先生に相談した。


あの頃の私は

何に対しても臆病で
気ばかり遣っていて
きっと周りにも気を遣わせていたんだろう。
話を聞いてくれたあと
先生は私にこんな言葉を教えてくれた。

「コミュニケーションの秘訣は、あなたが好きな言葉を使うこと」

 誰か忘れた偉人の名言なんだけどね、と先生は笑った。


次の日学校で

私の落とした消しゴムを

隣の子が拾ってくれたとき

「ごめんなさい」と言いかけて

本当に言いたい言葉がそれじゃないことに気付いた。


「ありがとう」


自然に笑顔が生まれて、相手も笑ってくれた。

少し距離が縮まった気がした。


結局学校を一日も休まず卒業した私は

もっと多くの場所で

色んな世界の音に出会いたくなって

海外で勉強することを決めた。

今、アメリカで音楽を学んでいます。

先生、元気かな。

あの言葉、まだ私の中に響いてるよ。



本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。

共に鳴るって大事なこと。