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神戸町の料亭跡

2018.06.05 12:00

久しぶりにどうしても中に入りたいと思うような物件に当たりました。売り物ですが勿論買いません。観るだけです。築149年、明治2年の建物です。明治2年というと戊辰戦争中です。土方歳三が北海道で死んだとされる年ですな。金があれば是非買い取って保存したいです。

写真を撮っていると、通りかかったお年寄りに「何か商売を始めるのか」と声をかけて頂きました。嘘か真か、この建物にまつわる色んな話が聴けました。乱歩チックなミステリーを期待したのに、そんな事件は無かったようです。

不動産に関わっていると、どうしても事故物件に遭遇します。気にしないという強者のお客様の登場を期待しますが、大抵の場合売ることも貸すこともできず、事件の記念館として相当年月放置されます。

新聞記事になるようなひどい事件のあった物件は意外に荒らされず、内容が流布されることも少ないように思います。その逆に、有名な心霊スポットになっているような物件は、調べると事件の記事はおろか、何も出てこないことがほとんどです。

とはいうものの、怪現象の起きる物件は確実に存在します。

空室から聞こえる話し声の苦情を対応したことがあります。怖いのは、誰かがその部屋に入ると、声が止むのです。深夜の同じ時間に押されるインターホン事件もありました。通路にカメラを設置して対応したのですが、人影は誰も写らず、音は止みません。資料用に撮る物件内外の写真には、わりとはっきりと謎の人物が映り込みます。人は誰もいなかったはずなのに。こういうの多分、不動産屋あるあるです。

恐らく、そのほとんどは心霊現象ではないと思います。科学的に原因は検証できそうですけれど、そんな手間はかけられません。つまりは心霊現象判定です。入居者は去り、新たな事故物件の出来上がりです。

話が逸れてしまいました。繰り返しますが、この物件にそういった問題はありません。

「追記」

まれに問合せを頂くので、現状のご報告。令和元年四月現在、建物は取り壊されて何も残っていません。おそらく、一般の分譲住宅になるようです。