森と人をつなぐLABO
皆様のおかげで、亀岡うりずんの森では子どもたちが元気よく毎日を活き活きと過ごしています。令和5年4月にオープンした2号館の放課後等デイサービス亀岡うりずんの森LABOは、京都府内産の木材をほぼ100%使用した、木造建築の学びの場所です。
「子どもたちに何をしてあげられるだろうか?」と、様々な方面からのアプローチをしている中で生まれたのが、「木」で作る建築でした。
今の教育で大事なのは、「五感をフルに使って身体で考える」ことだと思います。なんでも頭で理解しようとするのではなくて、自分自身の感性で受け止めることが大事だと思います。子ども達に知ってほしい事は、「自分と地球の環境が繋がっている」こと。木に囲まれた環境で過ごし、触ってみたり、においを嗅いでみたり、五感で感じる事で、木が人間に与えるチカラは大いにあります。地域の木の活用は未来への大きな投資になると考えています。
うりずんの森は、豊かな感性を育み、一人ひとりが潜在的な能力を解き放てる様な環境を目指しています。森と人は共に生き、進化してきた関係にあります。木と共生する空間の可能性は無限大です。
文部科学省では、2015年より「木の学校づくり先導事業」を進められており、全国で木材を活用した学校づくりが進められています。
その背景には様々な理由がありますが、調湿効果があり、軽くて強い木材の良さが見直され、目には見えない木の持つ温もりに引き寄せられているのだと思います。また、産業循環や地球環境への配慮など、経済的な理由もあります。何にせよ、戦後、防災や安全上の観点からRC造への建て替えが進められてきましたが、それらは転換期を迎えているのだと感じます。
放課後等デイサービス亀岡うりずんの森LABOの設計を手掛けたのは、建築家の南宗和氏です。京都大学で講師を務め、木質構造化学分野を研究されておられます。
「自然と芸術の力で成長を育む」
をコンセプトに、地域や子ども達の未来をより良いものにしていくとゆう、希望に満ち溢れた想いで、LABOを創り上げました。
様々な機能を有する森は、私たちにとって、とても大切な存在です。「土砂災害防止・土壌保全機能」や「地球環境保全機能」「生物多様性保全機能」など、さまざまな機能があります。森の機能を維持・向上していくためには、大人も子どもも、森の働きを理解し、その重要性を再認識することが大切です。
例えば、放置され荒れた森の現状や、森の恩恵を皆んなの暮らしにもたらす「林業」の現状や課題について知ることも重要です。うりずんの森LABOでは、再生紙を使用したり、林業に関連した事を体験したり携わるなど、森を守るために一人ひとりが出来ることを考え、少しでも実行できるように、活動を工夫して取り組んでいきたいと思っています🌳
その中の一つの体験活動として、「香りの体験」があります。森の香りは何故だか落ち着きます。
うりずんの森に自生する植物から色水を作って作品作りをしたりしていますが、植物からの精油の抽出にチャレンジして、嗅覚を使う自然活動ができたら楽しいだろうな。と思います。
植物によって香りが異なったり、人それぞれで嗅いだ時の気持ちが異なることを体感します。香りを意識することで、感受性や想像力を豊かにさせ、自然環境の大切さも学べるので、子どもたちにとって、とても大切な学びであると思います。
昔と比べると、外に出て自然の中で遊ぶ機会が減り、植物に触れて自然の香りを楽しむことも減ってしまいました。自然界にある様々な香りを嗅ぐ機会が少ない反面、回りには人工の香りがあふれています。植物の香りを体験するという、感覚的な経験をすることは、香り成分がもたらす効果を用いて、情緒の安定や生活リズムの改善や脳の発達を促すなど、ココロとカラダの健康に役立てることができると考えます。