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増田勇一のmassive music life

アムステルダム出張日記【1】

2023.04.27 05:03

4月25日の早朝に家を出て成田空港に向かい、午前10時25分発のKLMの直行便でアムステルダムへ。海外渡航は2019年7月、QUEEN+ADAM LAMBERTを観るためにロサンゼルスに行った時以来。いわゆるコロナ禍の中でも国内出張の機会は結構あったものの、航空運賃の高騰などもあり、なかなか国外に出ようという気持ちに踏ん切りがつかない時期もあった。ただ、昨年11月にMETALLICAのツアーが発表になった際、おそらく次にパスポートを使うのはそれを観に行く時になるのだろうな、と感じていた。

海外渡航についてはそれなりに慣れているつもりだし、いまさら妙に興奮したり浮足立ったりすることもないのだが、パンデミック以前とは事情があれこれ変わっているところもあるだけに「あれ? 今はもうあの書類は不要なんだっけ?」とか、出発前はちょっと落ち着かない日々を過ごしていた。ギリギリまで原稿書きに追われていたために、なかなか旅支度ができずにいたからでもあるけども。だから実際にチェックインや出国手続きを終えて飛行機に乗り込んだ時には安堵感をおぼえていたし、そこで逆にそれまでの自分が少しばかり緊張していたんだなと気付かされもした。

ちなみに今回、チェックインは出発前夜のうちにオンラインで済ませておいた。出発の30時間前からできるのだ。搭乗券は無事にスマホにも転送できて念のためのプリントアウトも済ませていたし、空港ですべきは荷物を預けることだけ。スーツケースはこれまで使っていたものが壊れてしまったのでAmazonで安いのを買って、ついでに黄色いベルトも購入。そのベルトにMETALLICAのステッカーを貼り付ける作業をしていた時は、ほとんど遠足前の子供のようだなと自分でも感じていたし、やっぱりある程度は浮かれているんだろうなと自覚した。

航空運賃はそれなりに高かったけども、直行便にしたのは目的地がアムステルダムのみだし、預けた荷物が迷子になってしまうのを避けたかったから。遠い昔、荷物だけが違う土地に行ってしまい、到着空港のカウンターでアメニティキットだけを渡され、現地で最初に購入したのが着替え用のパンツと靴下、なんてこともあった。その時は結果、翌日の夜には宿泊先に荷物が届いたから大事には至らずに済んだのだが、ああいう事態にだけは陥りたくなかった。

あと、当然のようにいろいろな航空会社の乗継便などとも比較してみたのだが、ほぼ値段が変わらず、むしろ直行便のほうがお買い得のように思えたのだった。高額なものについて比較検討している時に、ちょっと安めなのを見つけると「これを選ぶのは素晴らしく賢い選択!」と感じられてしまうことがあるが、今回の航空券選択についてもそれに似たところがあったかもしれない。

ただ、KLMでアムステルダムに向かうというのがちょっと懐かしくて、それで心が動いたという部分も少しだけあった。僕にとって初めてのヨーロッパ出張は1989年10月、AEROSMITHが『PUMP』発売に伴う欧州ツアーを行なっていた時のことだった。しかもそれが初の完全な単身海外出張で、レコード会社担当者の同行も、現地コーディネーターとか通訳、カメラマンなどとの合流も一切なし。しかも取材値はアムステルダムではなく、電車移動を要するアーネムという地方都市。ただ、不慣れながらもあの時どうにか予定通り取材できてしまったものだから、当時の編集部内でも「増田はひとりで大丈夫」ということになって海外出張の機会が極端に増え、同時に自分としてもひとり旅かすっかり気に入ってしまったのだった。それ以降もアムステルダムには何度か訪れてきたが、なんだかこの街には特別な思い入れを持っているようなところがある。

というわけで、現地到着後の話はまた次回に。

完全にMETALLICA仕様、というか『72 SEASONS』仕様の荷物。