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「宇田川源流」【GW特集 日本語論文のススメ】 日本語とは何か

2023.04.28 22:00

「宇田川源流」【GW特集 日本語論文のススメ】 日本語とは何か

 今年もゴールデンウィークになった。いつもはゴールデンウィークは何か短期の連載をしているのであるが、今年も例に習ってそのようにしたい。というのも、実際にはもともとこの時期とお盆そして年末年始に関しては、新たなニュースが出てこない、つまり世の中が動いていないので、あまりニュースがないということが大きな問題になっており、その間、どのようにするのかということが、マスコミでは毎回話題になるのである。そこで週刊誌などは「ゴールデンウィーク特大号」とか「合併号」などと言うようなことを言い、そのことで、二週間御暗示ネタで勝負するということになる。この時用に一つのネタを準備して置いたり、オピニオンや対談でお茶を濁すのである。しかし、そのような事でもうまくゆかない場合は、小ネタをランダムに出すというようなことになり、それでもダメだとグラビアでごまかすというようになる。まあ、だいたいの場合は、「観光案内」や「新規のレジャースポット」と「グルメ情報」を入れておけば、読者は満足するので、そのようなことを行っているということになるのであろうか。

しかし、新聞はそうはいかない。その新聞はページ数が薄くなったり、広告が増えるというような対応になる。もちろんその中の月曜日は「休刊日」を設定するということになるのであるが、しかしそれでは足りない場合は広告を増やすという対応になる。この時期だけ、妙にカラーの広告が増えるのはそのような事情だ。

さて、ではブログはどうするのか。ネットメディアに関してはよくわからない。もちろん、妄想と想像で形作っているネットメディア、特にオカルトや陰謀論を書いている場所は、それでも何とかなるのであろうが、事実や政治関係の者であると、結局何も動かなくなってしまうので、後進するネタがないのである。

それは、このブログも同じ。

社会面のネタなどをやっても、あまり面白くないし、また連休中に暗いネタをこんなところに書きたくはない。そのように考えれば、おのずとなんらかの特集記事で連載をするしかないのである。しかし、それもなかなかネタがあるわけではない。政治のネタというのは国際関係を含めて、思った以上に書くことは少ない。まあ、今のマスコミというのはなんでもなかんでも、ダボハゼ的に書いてしまうのかもしえれないが、そのような事をしているから、政治そのものが魅力が無くなってしまう。政治ジャーナリストが何だかわからないがスキャンダル専門誌のようになってしまい、そのうえで、政治という仕事そのものの魅力を失わせてしまい、最終的には政治ジャーナリストの質を下げてネタを奪っているということになる。書いてもよいがある程度のルールや倫理観を守らなければならないが、いつの間にか政治ジャーナリストが政治家を気取って、自らの倫理観を語り始める始末で花話にならない。

そのようなことを書いていると、まあ、すぐにネタが尽きてしまうのである。

そこで、今までは「土曜日のエロ」をそのまま延長してエロネタを増やしていたのであるが、それも面白くない。そこで今回は「日本語論文のススメ」として、日本語について考えて見ようと思う。まあ、日本語を仕事にしているジャーナリストであるならば当然に、そのような内容が出来なければならないし、また、その「道具」である「日本語」をしっかりと見てゆかなければならないのであろう。

ということで、今回は「日本語論文のススメ」として話を進めるのであるが、その前に、では「日本語」とは一体何なのであろうか。

まずは辞書的な定義を見てみよう。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

日本の国語。歴史的には3世紀頃から日本語とみられる単語が中国の文献などにみえはじめる。奈良時代は,『古事記』『万葉集』などにより,一応の全体的姿がわかる時期である。上代特殊仮名遣の名前で知られる現象があり,6つの母音が音韻的に区別され,かつ母音調和の痕跡とみられる現象が認められる。一方,東歌,防人歌などから,中央方言と著しく異なる東国方言が存在していたことがわかる。中古になると,母音はいまと同じ5母音体系となり,音便が発生した。文字も万葉がなからできた片仮名,ひらがなが用いられはじめた。その後期には音韻変化の結果,発音といろは 47仮名との間にずれができ,かなづかいの問題が生じた。中世は古代語的世界の最後の時期で,かなり近代語的になる。動詞・形容詞の連体形が終止形を駆逐した。近世には上方語に対立するものとして江戸語が勢力を伸ばし,やがて東京語が標準語となる足場を固めた。文法的には二段活用の一段化が完成。明治期には欧米の近代思想を輸入し,翻訳の必要から多くの漢語を用い,また新しく多くの漢字語をつくった。最近は西洋語,特に英語からの外来語がふえつつある。系統問題では他言語との親族関係は未確立である。朝鮮語と同系の可能性があり,それがさらにアルタイ諸語へつながるかもしれないが,未証明である。一方,南方系説,混合語説もあるが,言語学的証明からは遠い。中国語からは言語的にも文化的にも大きな影響を受けたが,音韻構造,文法構造などが著しく異なり,朝鮮語・アルタイ諸語よりも日本語に近い親族関係を有することはありえない。琉球方言は明らかに本土方言と同系で,奈良時代以前に両者が分れたと認められる。琉球方言では宮古がほかと大きく異なる特徴を有している。八丈島方言は奈良時代東国方言の系統をひくもので,中央方言からの分岐年代は琉球方言と同様著しく古いと考えられるが,本土方言の同化的影響をはなはだしく受け,わずかに動詞・形容詞などに特異点を保っている。

<以上抜粋>

日本語の音韻は、「っ」「ん」を除いて母音で終わる開音節言語の性格が強く、また標準語(共通語)を含め多くの方言がモーラを持つ。アクセントは高低アクセントである。

 なお元来の古い大和言葉では、原則として

 「ら行」音が語頭に立たない(しりとりで『ら行』で始まる言葉が見つけにくいのはこのため。『らく(楽)』『らっぱ』『りんご』『れい(礼)』などは大和言葉でない)

濁音が語頭に立たない(『だ(抱)く』『どれ』『ば(場)』『ばら(薔薇)』などは後世の変化)同一語根内に母音が連続しない(『あ お(青)』『かい(貝)』は古くは『あを /awo/』, 『かひ /kapi/』)などの特徴があった(「系統」および「音韻」の節参照)。

 文は、「主語・修飾語・述語」の語順で構成される。修飾語は被修飾語の前に位置する。また、名詞の格を示すためには、語順や語尾を変化させるのでなく、文法的な機能を示す機能語(助詞)を後ろに付け加える(膠着させる)。これらのことから、言語類型論上は、語順の点ではSOV型の言語に、形態の点では膠着語に分類される(「文法」の節参照)。

 さて、この中で聞きなれない「膠着語」という言葉が出てきたと思う。

「膠着」とは「膠(にかわ)」でくっつけるといういみであり、ある単語に接頭辞や接尾辞のような形態素を付着させることで、その単語の文の中での文法関係を示す特徴を持つ。

日本語で言えば

例えば、「飛ぶ」という動詞だと

tob という語幹に、

tob anai:「飛ばない」

tob imasu:「飛びます」

tob eba:「飛べば」

tob o:「飛ぼう」(発音はトボー)

のように語尾を付着させて変化させる。このように日本語における膠着語とは、語幹に語尾をいろいろ変化させて付着させていく言葉をいう。

 一般的に、膠着語に分類されるような言語は以下のような特徴を持つ。膠着語と屈折語は区別が分かりにくいので、ここでは屈折語との対比に重点を置いて述べる。

★ 動詞の活用に関して、規則性が高い

 不規則動詞は非常に少なく、大抵は指で数えられる程度の数しかない。また、不規則変化するにしても、完全に無関係な語形に変化する(補充形)ことはほとんどない。日本語では「する」「来る」が不規則動詞である。

 これに対して、屈折語に分類される言語は不規則動詞が多く、しかも使用頻度の高い一部の動詞は完全に無関係な語形(補充形)に変化する(例えば、英語のgoの過去形wentなど)。特に印欧語のほとんどの言語においてコピュラ動詞は補充形を持つ。

★ 名詞の格の表示パターンは1種類か、もしくは非常に限られている

 例えば日本語では目的格は「名詞の直後に助詞『を』を付ける」という一貫的なルールにより表され、代名詞を含め、どの名詞にも単一の規則が適用される。言語によっては、母音調和や音便などによる細則が存在する場合があるが、それでも一度ルールを覚えてしまえば、原則としてどの名詞にも適用できる。

 対照的に、屈折語は名詞の曲用パターンが名詞の語形や性別などに応じて複数種類あり、しかも代名詞を中心に不規則変化や補充形が多い。場合によっては名詞ごとに覚える必要がある(語形から活用パターンを判別できない場合)。規則変化であっても、変化が語尾だけでなく語幹部分にまで及ぶことがある(語幹母音のウムラウト化、脱落、出没母音など)。

★ 意味と形態素は1対1で対応していることが多い

 膠着語では一つの形態素が一つの意味や文法範疇に対応しており、それを順番に並べて用いる。しばしば複数の文法範疇が融合して一つの形態素で表される屈折語とは対照的である。

 また、膠着語では、異なる文法範疇を持つ語は必ず異なる語形で表されるという言語が多い。例えば、典型的な屈折語の一つであるロシア語では、男性名詞不活動体や中性名詞においては主格と対格が同形になるが、日本語ではどのような名詞も主格は「~が」、対格は「~を」という助詞を伴っており、助詞が省略された場合を除き、異なる格が同じ語形で表されることはほぼあり得ない。また、屈折語では「無語尾であるということ」自体が意味を持つことがある。例えばロシア語の女性名詞複数生格は、主格語尾の -а を取り除いてゼロ語尾にすることによって表される。これは、女性名詞複数生格が無標なわけではなく、「ゼロ」が標識としての役割を果たしていると考えられる。

★ 基本語順がSOV型であることが多い

 接置詞としては前置詞ではなく後置詞を用いることが多い。

このような特徴をもつ言語である。

ある意味で、日本語は世界の言語の中では少数派であり、ウラルアルタイ語に近いといわれているのであるが、その歴史的変遷や関係性などは不明である。

さて、その中において、屈折語である英語や個立語である中国語などを相手に戦わなければならないのである。今回はその内容を見てゆくことにする。まずは日本語の解説である。