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新たな師

2023.05.24 23:00

私は思い切って
今の気持ちをマーク氏に打ち明けました
このことを切り出すこと自体も失礼なのかもしれません
けれども、マークはカウプと親しい関係でもあったし
もしかしたら話を聴いてくれるかもしれない・・・

チャールズ・カウプ氏の弟子、クムレフアのクラスを受けたい
そう告げるとマークはこう尋ねました

「彼女から何を学びたいんだい?」

ペレなど古いフラの事を知りたい

正直に答えると
彼は怒り出すどころか親身に聴いてくれ、
こんなアドバイスをくれたのです


「俺はフラを敬愛しているんだ
だけど周囲から異端児だと言われている

なぜかというと、俺は古いフラのままでは、もしかしたら
新たにフラをやりたい人がいなくなって
文化を継承する人がいなくなるかもしれない
そうなることが俺はすごく寂しい

だから、若い人たちが見ても
「かっこいい!」と思うフラであってほしい
次の世代への橋渡しをしたくて活動している


俺はフラの家系に生まれてないから
幼少期からフラもやっていないし
フラの細かい古典的な所作や知識も知らない

だから大好きなフラで知ったかぶりをして
嘘の古典フラを踊ることは冒涜することだしそれだけは避けたい
だから俺は浅慮で神話を踊らない

新聞で分かる系列の歴史の中で
(元々フラは文献で記録される前から口伝、直伝で継承されてきた遥かに長く古い歴史がある。
 それに比較してマークは自分のフラは新聞を用いて文字に記される=歴史の短さを比喩している)
この時はこういう風に戦っている、
船を漕いでいる、
と俺の中で見えている動きを表現している

俺は斬新だと言われるかもしれないし、
異端児だと言われるかもしれない
俺は積み重ねて来たフラの伝統を持っていないし


俺は新しいパフォーマンスを作ってきた自負がある
俺はフラを愛してくれる人がいてくれればいい
と思ってパフォーマンスしているんだ

古典を深く知りたいなら俺には教えられることはないから、
大元の所に行けばいい
ペレなら○○だし、カラカウアなら○○だし、カメハメハなら・・・
(各地域に長けている系列がある)
だからよく考えていきなさい」


こうして私は
マーク氏に快く送り出され、

2017年からチャールズ・カウプ氏の弟子
クムレフア氏のもとに入門することになりました 


夢で聞いた「カウプ」の言葉が
まだ先の未来へと繋がっていたとは
この時の私はまだ何も知らずにいました


(つづく)