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経産省が国内データセンタとクラウド インフラの現況をリポート

2018.06.05 00:05

【ビジネス報道】 経産省(大臣:世耕弘成)は、平成三十年六月一日にデータ センタ産業やクラウド インフラ産業の競争力の現状と必要な施策についての調査・検討を行い、調査報告書として取りまとめまて公表した。委託先はみずほ情報総研(代取:西澤順一、金子基宏、清水東吾)。


 データ集積と戦略的活用が産業競争力の要とし、データ保全や円滑な利活用を実現する為の基盤の重要性が増大。だがデータ産業の競争力ではグローバル市場において海外企業に劣後し、国内市場においても海外企業の参入によって厳しい競争環境に置かれている状況と判断。本調査研究では、我が国が目指す「Connected Industries」の実現に向けて異なる企業・産業間のデータ連携が不可欠である点と日本の産業や社会が当該基盤の上で築かれる点を踏まえ、利便性の高いサービスを使いこなし、ロックインやデータ保全のリスク、データ プラットフォーム産業の競争力等について調査・検討を行い、必要な施策等の方向性を整理した。


ロックインとは、現在利用している製品等を別同種に切替えが困難な状態の事。


データ活用基盤の階層は以下の通り。本調査研究ではL1とL2を中心に、市場動向や必要な施策等を調査した。



L1の競争力の現状は、AIに係るデータ処理等の大量・高速処理の需要が拡大する中で低電力コストの海外の方がデータセンタの立地に関して優位性が高いとの見方があり、一方で海外のデータセンタを利用時にデータ処理のリアルタイム性(レイテンシ)が低下する可能性がある、とした。同分野では設備投資促進や電力コスト低減等の必要性を訴える。具体的な課題はデータセンタの老朽化への対応と電力コストの内外格差の是正。


 L2は、クラウドインフラ(特にパブリッククラウド)市場で積極的な研究開発投資等により、海外クラウドベンダのシェアが今後も拡大する事を予想。今後、クラウドサービスの利活用を一層加速する為に高機能なクラウドサービスを使いこなせる人材育成や高安全性のクラウドサービスの利用促進が望ましい、とした。


またRについて、自由なデータ流通の促進を前提として高い機密性や可用性が求められるデータの管理のあり方につき、検討を進める事が重要とした。


画像引用:平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(我が国のデータ産業を巡る事業環境等に関する調査研究)報告書/経産省