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退屈と惰性と 改

SS フォーレン レビュー

2023.05.03 04:49

 今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、

“SSー100 フォーレン” です。


 実写映画第2作、“トランスフォーマー/リベンジ” より、原初のトランスフォーマーの1人にしてディセプティコンの創設者、

“フォーレン” が、

記念すべきスタジオシリーズ100番めのアイテムとして発売されました。


 G1アニメベースのリメイクトイをリリースしていく、いわゆるジェネレーションラインとは別に、実写映画版のキャラクターのリメイクを扱うシリーズとして2018年にスタートしたスタジオシリーズも、約5年でついに100アイテムを数えることになりました。

 いやぁ、まさかこんなに長く続くシリーズになるとは思いもしませんでした。

 ただ、当初はアニメのジェネレーション、実写のスタジオというふうに明確に線引きがされてたのですが、スタジオもだんだんネタがなくなってきたのか、1986年に公開された(日本未公開)アニメシリーズ初の映画作品、“トランスフォーマー ザ・ムービー” の登場キャラをリメイクする86シリーズが導入されたことでもはや両者の区別は曖昧になっています。

 アースライズ版スタースクリームの豪華仕様ともいうべきスタースクリーム 新破壊大帝がスタジオ(86)シリーズで発売されたり、スタジオ(86)シリーズ版ジャズを流用したノックアウトがレガシーで発売されたりという相互交流(?)も見られるようになりましたね。

 さすがに実写系トイをG1キャラの流用するというようなことはまだありません(さすがに無理だろう)が。

 そもそもスタジオシリーズには過去の実写系トイを流用したものもありましたし、86シリーズ、そして今度始まるゲーマーズエディションなんかもそうですが、スタジオシリーズはそのへんけっこうアバウトというか、間口は広いんですよね。

 ちなみに海外展開では86、ゲーマーズエディションはそれぞれ実写系とはナンバリングが分けられているようです。

 日本では86もまとめて通しになってますね。たぶん、ゲーマーズエディションも同様でしょう。

 なので、今回のフォーレンの100番めというのは日本独自のナンバリング。

 なお、日本だとなぜか72番めが欠番になっていますが、唯一モール限定で発売されたスキップジャックを含めるとスタジオシリーズのアイテムが100種類発売されていることには間違いないです。

 さて、そんな(?)フォーレン、リベンジにおけるメインヴィランなんですが、最後の呆気なさもあって個人的にはむしろかませ感が強いです。

 ちなみに、正式名称を日本語表記する場合、 “ザ・フォールン” が正しいと思うのですが、商標の関係なのか、今回のスタジオシリーズも、映画公開当時に発売されたRD版トイでも商品名はフォーレンになっています。

 でもフォールンと呼ぶほうがしっくりくるので、本文中はそちらで統一することにしますね。

 それでは、レビューしていきます。


ザ・フォールン

 原初のトランスフォーマーである7人(小説版では13人)のプライムの1人で、もともとの名前はメガトロナス・プライム。

 のちに弟子の1人がその名を受け継ぎ、メガトロンとなりました。

 エネルゴン精製のために地球に訪れたところ、そこではすでに人類が誕生していたため、ほかのプライムたちはエネルゴン精製を見送ろうとしましたが、フォールンだけがそれに反発、離反ののちにディセプティコンを創設し、その先長く続くトランスフォーマー同士の戦争のきっかけを作ることになりました。

 小惑星に墜落した宇宙船内で配下のディセプティコンたちに指示を与えていましたが、オールスパークの情報源の発見とオプティマスの死(のちに復活)を機に自ら前線(地球)に降り立ちます。

 モチーフはドリームウェーブ(すでに倒産)から発行されたコミックに登場した同名キャラクターだそうです。

 実写版のオリジナルキャラだと思ってた・・


パッケージ

 今回はリーダークラスなので、前面に背景込みのイラストが描かれたものになっています。

 なかなかの迫力。


ロボットモード

 もはやどのへんがトランスフォーマーなのか? というようなグロテスクなエイリアン然とした風貌。

 劇中のフォールンの姿がかなり忠実に再現されていると思います。

 それにしても、非常に有機的な印象を受けますね。

 色が濃くてわかりにくいのですが、本体で黒く見えるパーツはほぼクリアパーツ製なので、それがなんとなくそう思える理由かもしれません。

 まぁ、デザイン的に機械っぽさがほとんどないこともあるんですが。

 つま先立ちで放射状に広がる指と、まるで鳥類か、はたまた恐竜のそれぼような脚部も生々しい。

 今回は先の通りリーダークラスでの立体化となっており、比較的華奢なデザインも相まって異様に大きく感じます。

 


 南米とか、東南アジア辺りの民芸品、あるいは呪術師とかが被ってそうなお面・・いや、最終決戦がエジプトということを考えるとファラオの仮面かな? とにかくそんな雰囲気もある頭部。

 実際これは仮面で、最後はオプティマスに引っ剥がされることになるんですが・・

 細かい造形でディセプティコンらしい昆虫っぽくも見えるデザインを完全再現。

 塗装も綺麗です。とくに襟のような部分のメタリックブルーの色がいい。

 目に当たる部分はクリアパーツで集光ギミックもあります。

 もちろん、設定通り仮面は取り外し可能。

 レガシー ターンでは再現されませんでしたが、そこはリーダークラスですからね。


 で、仮面を外した(外された)素顔の再現は今回が初。

 ていうか河童やん・・あるいは雛鳥?

 キモ可愛い(笑)。

 こちらも目はクリアパーツ(というか頭部自体がクリアパーツ製)で集光ギミックあり。

 頭頂部に出ているクリアパーツがトサカみたいにも見えます。


 さらに口が開閉します。

 なかなか間抜けな感じ。

 とてもラスボスには見えんな・・


 手はかなり独特な形状をしていて、指と思しきものが左右ともに8本あります。

 一番外側の2本が曲げられていて、5㎜軸を保持できるようになっています。


 背面。

 さすがリーダークラス。目立つ肉抜きはありません。

 それにしても、腰から伸びて前腕に繋がっている謎のパーツが唯一無二の存在感です。

 動力ケーブルみたいなものならまだわかりやすいんですが、腕に繋がっているものは骨のように真っ直ぐ伸びていますし、根元・・背中側の基部も背筋みたいなデザインなんですよね。

 一体これはどういう発想なんだろうか?

 そしてその基部パーツは、腕部の動きに連動するかたちでまさに筋肉のように伸び縮みするようになっています。

 そのスムーズな可動にはちょっと感動しましたが、なんにせよ腕部の可動はかなり制限されます。

 なお、変形のためでもあるのですが、この背面パーツは一式取り外すこともできます。

 外すとまたかなり貧相な感じになりますね。

 そもそも腕側、背中側ともにかなり外れやすいです。

 破損防止の意味もあるのかもしれません。


付属武器

ロッド

 フォールン自身の身長に匹敵する長さのロッド。

 2本に分割されているものを連結させる仕様です。

 素材はちょっと硬めの軟質パーツ。

 ビークルモードでマウントするための5㎜軸がありますが、それ以外にはとくに拡張性も、ギミックもなし。

 でも長物武器は迫力があっていいですね。


ビークルモード

 エイリアンジェットにトランスフォーム。

 劇中では変形することはないのですが、そこはトランスフォーマーなのでね。変形しないことには始まらない(?)ということで、RD版のビークルモードをほぼ踏襲したデザインになっています。

 まぁ、エイリアンっぽいというか虫っぽいというか・・よくわからないデザインですね。

 もちろんRD版もそうだったんですが、ディティールがより細かくなったこと、そして例の謎パーツの追加もあってキモさが数段レベルアップしている気がします。

 なんとも収まりがよろしくないような見ためですが、一応各部ジョイントでしっかり固定されるので、形状が崩壊するようなことはありません。

 劇中未登場ということで、ある意味どうにでもできるビークルモードですから、ロボットモードの再現に全振りできた感じがあります。

 とはいえ、こちらもそこまで破綻したデザインにはなってませんが。


 ロッドは分割した状態で左右のウイング(?)にマウント可能。

 RD版版では機首と機体後部の3箇所でランディングギアの展開ができましたが、今回はなし。

 その代わり、飛行状態でのディスプレイ用に底面にスタンド穴があります。


 中台紙の簡易ディスプレイベースの背景はリベンジ系ではお馴染みのエジプトの砂漠・・

なんですが、遺跡と降り注ぐミサイルも描かれているこれは、コンストラクティコンではなくジェットファイヤーに付属のものと同じ・・いや、ちょっとズームされてる感じですかね。


比較画像

 映画公開当時に発売されたRD版と。ロボットモードで。

 あ、RD版、尻尾が下がってますね。正しくは上向きにたたまなければいけません。すみませんです。

 で、話を戻します。

 意外や、サイズはさほど変わっていません。

 いかに最近のトイがトータルで小さくなっているかということだなぁ・・

 ただ劇中再現度はもうご覧の通り、雲泥の差。スタジオ版の圧勝ですね。

 こうなるともうRD版が誰かわからない・・

 なお、RD版も腰と腕を繋げるのが正式なのだと思うのですが、そうした場合、腕がほぼほぼ動かせなくなります。


 ビークルモードでも。

 こちらもサイズはほぼ同じくらい。

 基本的なパーツ位置は踏襲されていますが、やはり謎パーツと武器の追加もあってスタジオ版のほうが情報量が多くなっています。

 ただジェット機感はむしろ薄まったかな?

 ちなみに変形パターンはスタジオ版のほうが若干シンプルだったりします。


 SS メガトロン(リベンジ版)と。ロボットモードで。

 リーダークラスとボイジャークラスですが、あまりサイズ差はないんですね。

 まぁ、メガトロンは大きく見せるために胴体が空っぽなんですけどね。


 ビークルモードでも。

 エイリアンジェットとエイリアンタンク。

 とくに共通の意匠などはありません。

 メガトロンがギュッとコンパクトになったぶん、フォールンのビークルが大きく見えますね。

 ジェットパワーオプティマスと。

 SS オプティマスプライム(リベンジ版には合体用のジョイントがないので、ダークサイドムーン版を使用)とSS ジェットファイヤーが合体したジェットパワーオプティマスと並ぶとほぼ同じ身長です。

 でも体格的にはガリガリの老人とマッチョなので、こりゃ肉弾戦じゃ勝てないだろうな・・

以下、画像

 可動性そのものは決して悪くないんですが、非常にクセがあります。

 まずなにより、背中から前腕に繋がる謎のパーツにより腕部の可動が著しく制限されます。

 しかもそのパーツが外れやすいのでけっこうストレス。

 実際、一旦外してから腕部の位置を決め、あらためて繋ぎ直すというパターンになりがち。

 ちなみに謎パーツを付けない状態だと、

腕もこの通り真上にまで上がりますし、より躍動感のあるポーズが可能になります。


 続いて脚ですが、いわゆる逆間接ではなく、鳥や獣のように踵を浮かしてつま先立ちしている状態。

 ただ曲がるのは膝だけでそれもさほど深くは曲げられず、踵やつま先の角度は固定。

 でも踵の位置でもロール可動できるのと、放射抄に拡がる指の接地面積が広いため自立は安定します。

 一応立て膝っぽい姿勢も可能。

 踵を180度回せば胡座だってかけます。

 なお、ビークルモード時用のスタンド対応穴が背中のかなり高い位置に露出しているので、それを利用すればスタンドディスプレイもできなくはないです。

 ただその位置だと、この巨体を浮かすには相当長い支柱が必要になりますし、強度面でも不安なのであまりお薦めしません。


 ロッドを分割して。

 二刀流も案外に合います。

 劇中の戦闘では、超能力的な力で物体を浮かせて投げつけてきたり、なかなかトリッキーな攻撃をしてきました。


 ドラクエにこんなモンスターいた気がする(笑)。

 上げてる脚が逆だったかも。

 ちなみにこれ、片脚で自立してます。


 ビークルモードでも。

 先に言った底面の3㎜穴を使ってディスプレイ可能。

 でも、やはりこのサイスを浮かすのに3㎜は不安です・・


 ちょっとパーツを動かしてみて。

 開発路駐で廃棄されたモビルアーマーかな?

 ロッドの5㎜穴が、足裏の肉抜き部分に上手いことはまるんですよね。

 ここからさらに・・

 なんとなく合体ロボの上半身みたいになった。

 フォールン2体合体とかできそう。


ス「フォールンさま! オールスパークの在処がわかりました!

フォ「よくやった! なら儂も出張るぞ!

 ・・って、のこのこ出てくるからあんなメに遭うんだよ。


メ「勝利は目の前です、わが師よ。

フォ「今回の殊勲はサウンドウェーブだけどな!

 しかしまぁ、この布陣ならそりゃ勇んで出てくるよ、フォールンも。

 オートボットの人間もよく勝てたな。


 久々の現場で調子に乗るフォールン親方。

 そんなだからこうなって、

 こうなるんだよ・・

 なんで急に河童?(笑)


 以上、“SS フォーレン” でした。


 記念すべき日本展開100体めのスタジオシリーズ。

 原初のトランスフォーマー、プライムの1人にしてディセプティコンの創設者、フォーレンことザ・フォールンはその肩書き、立ち位置的に相応しいキャラクターといえましょう。

 まぁ、実際の活躍についてはすごく尻すぼみな感じでしたが。

 とはいえ、初登場シーンはその禍々しい姿に圧倒されましたね。

 異形の多い実写ディセプティコンのなかでも、一応人型でありながら当然オートボット勢とは一線を画すグロテスクなデザイン、プロポーションで強烈な印象を残してくれました。

 今回のSS版は、そんな劇中の姿を忠実に再現。

 劇中では変形しないこともあって、ロボットモードの再現に全振りできた感があります。

 さらに劇場公開当時に発売されたRD版では叶わなかった仮面の着脱や武器の付属など、シチュエーション再現も捗るまさに決定版になったのではないでしょうか。

 可動にクセがありますが、まぁそんなにアクティブなキャラではないので、よいでしょう。

 ある程度割り切った感じで動かそうとすれば、動きますしね。

 ビークルモードに関しても、RD版をベースにより有機的な雰囲気が増しました。

 ロボット時に背中と前腕を繋ぐ謎パーツの追加(大型化)で双翼機的なシルエットにもなって面白くなったと思います。


 さてさて、フォールンの発売でリベンジに登場したディセプティコンはほぼコンプリートでしょうか。

 まぁ、スカルペルとかインセクティコンとか、小さいのはちょろちょろ残ってますが、あとはデモリッシャーか。スカベンジャーのリカラー出だすかと思ってるんだけど・・

 そういえば、グラインダーは日本では発売されないのかな? 出すとしてもモール限定かな。

 まぁしばらくはビースト覚醒と、ゲーマーズエディション中心になりそうですね。あと86。

 スタジオシリーズ初のタイタンクラス、ユニクロン・・なんて可能性も出てきたかもしれませんよ。

 あ、ビースト覚醒版ね。86版でもいいけど(笑)。

 今後さらに5年続いて、SSー200までいくのかな?


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。