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Hana ノ Namae

似たモノ探し ヤマエンゴサク

2023.04.29 03:07
(2023/4/23 三戸町・法光寺)


山延胡索(やまえんごさく)

ケシ科キケマン属/多年草


山地に咲く延胡索(えんごさく)なので『山延胡索(やまえんごさく)』。

雪が消えて春に山郷を低山を散策すると咲いているのを見かけるスプリングエフェメラルの一つ。


良く似た花に、同じ小さなエンゴサクの仲間の"オトメエンゴサク(乙女延胡索)"があり、一見すると見分けがつかない。

しかし、この2種の小さなエンゴサクをよく比較すると、いくつかの違いがある。


一つは生息場所。

ヤマエンゴサクはやや陽当たりの良い場所を好むが、オトメエンゴサクはやや日陰の湿り気の多いところを好む傾向がある。

もう一つは姿形。

どちらも小さい花だけれども、細かく見ていくと、花の付け根につく小さな苞葉と呼ばれる葉の先が櫛の歯状に裂けているのがヤマエンゴサクで、苞葉の葉先が裂けていないのがオトメエンゴサク。

と言った、細かい違いがある。

因みに、オトメエンゴサクは北海道以北のエゾエンゴサクから分類学上、分かれた品種。エゾエンゴサクの特徴が苞葉の形なので、オトメエンゴサクはエゾエンゴサクの変異小型版だと考えられていたそうだが、別種として分けられた。


分類学の歴史的には系統が少しだけ離れているが、北東北の青森県内では咲いている地域が近く重なっており、見た目も似通っている山と乙女。

ややこしいが、まとめると、恐らくヤマエンゴサクとエゾエンゴサクの中間的な品種としてオトメエンゴサクが新たに品種として括られたのではないだろうか。