論語の教え「五美と四悪」
懐古庵のブログの中で、論語に関する教えが比較的人気ですので、今回は「五美と四悪」を取り上げました。
1 出典
論語、堯日(ぎょうえつ)第二十。
孔子が子張に説いた為政者の心得。
「五つの美徳」と「四つの悪」
※幹部の心得にも当てはまります。
2 五美(五つの美徳)とは
① 恵而不費
恵(けい)して費(ついや)さず。
② 労而不怨
労(ろう)して怨(うら)まず。
③ 欲而不貪
欲(ほっ)して貪(むさぼ)らず。
④ 泰而不驕
泰(ゆたか)にして驕(おご)らず。
⑤ 威而不猛
威(い)にして猛(たけ)からず。
(五美:リーダーの心得)
〇 恩恵を施すが、無駄遣いはしない
〇 人を使っても、怨まれない
〇 欲(ほっ)しても、貪欲ではない
〇 泰(ゆたか)でも、傲慢ではない
〇 威厳があっても、荒々しくはない
3 四悪(四つの悪)とは
① 教えずして殺す
これを「虐」という。
② 戒めずして成るを視(み)る
これを「暴」という。
③ 令を慢(ゆる)くして期を致す
これを「賊」という。
④ 猶(ひと)しく人に与(あた)うるに出納(すいとう)の吝(やぶさか)なる
これを有司(役人気質)という。
(四悪:駄目なリーダー)
〇 教えもせずに過ちを処罰する。
〇 忠告もせずに成果を注視する。
〇 指示もろくにせず期日を焦らせる。
〇 人に与えるのを出し惜しむ。
4 おわりに
論語の教えには、人間関係や仕事の進め方において参考になることが沢山あり、云われてみれば納得することが多くあります。
とは言え、どの時代も理想だけでは生きづらいのも確かである。
しかし、此の世は共存社会であり、貪欲で傲慢ばかりでは平和な社会を築くことが出来ません。
やはり、人間性を高めることが大切です。
温故知新
故きを温(たず)ねて新しきを知る
(論語:為政)
故人の教えには人生の指針が沢山あります。
そうした教えを学び、世界の多様性を認め合い、平和で幸福な社会を築くことこそ未来への社会的責任だと思います。
懐古庵主