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2018年度第4回未来院長塾レポート「臨床現場のニーズソン」

2018.06.04 17:09

2018年5月13日に元経済産業省 現森ノ宮医療大学准教授 西垣孝行先生と、プロダクトデザイナーの大浦イッセイ氏による「臨床現場のニーズソン」が開催されました。

受講生の中に臨床の場で「パラシールド」を使用されている人もいるかと思いますが、その「パラシールド」をデザイン、開発されたのは今回登壇された西垣先生、大浦氏です。

そのお二人に未来院長塾でお話し頂いた内容は、「ニーズを知る」という事です。

なぜニーズを深掘りしていく必要があるかを簡単ですが、今からまとめます。

1.バイアスを外す

受講生の皆さん一人一人置かれている立場や悩みは違えど、日々極力ストレスのない職場環境を望む事に異論は無いでしょう。

人と人が交わる職場環境なので、意思統一や相互理解で苦慮されている人が多いかもしれませんね。

よく聞く話が、日本社会において特に会議の場で、建設的議論が苦手な人が多い。なんて記事を読まれた方はいるかと思います。

誰かが意見を発しても、yes,but〜、または一番最悪なのはno,because〜から意見を言う人は周りにいませんか?

私個人の経験からしても、会議の場で課題が解決せず、時間が経ってまた同じ問題に直面する事がありました。                      ※あくまで個人の話です。

それは物事に対して「こうあるべきだ。」という、バイアス、偏見が人それぞれあるからなんだと思います。

結果、議論が空中戦に発展しいつまで経っても問題が解決しないのです。

医療従事者たるもの患者の安全を第一とするのは職務上当然ですが、それを支えている当事者の歯科医師、メディカルスタッフが置かれている立場はそれこそ十人十色です。

医療機器もパラシールドの様に日々発展していますよね。

ゴールは見えど、過程に絶対は無い。なのでyes,and〜の姿勢が望ましい事が西垣先生、大浦氏のパラシールド開発の経緯を伺い、理解できました。

責任ある立場ならなおさらチーム、もしくは患者、はたまた地域のニーズに耳をすませないと個人的に悦に入るだけで周囲の人を幸せにはできないでしょう。


2.共有するという事

歯科医師にとって学ぶべき事は多々あります。勿論、治療学は生涯学習です。

ただそれと同じくらい学ばないといけない事はリベラルアーツです。

教養と言い換えても差し支えないでしょう。

NHKで最近特集があったのですが、人類、ホモ・サピエンス、我々の祖先がライバルであるネアンデルタール人と袂を分かった理由の一つに、共有する文化があったそうです。

不特定多数の他者に理解を得るのに、最適な行動は皆が納得する、もしくは模倣したいと思わせるパフォーマンス、また受け取る側の感受性、その両輪があってこそ良きものは次世代に繋がると稚拙ながら思っています。

人は正論ではなかなか動けない動物です。

受講生の皆さんにとって今抱えている問題は私には分かりませんが、今置かれている環境をより良くするのならば、あなたが感じている問題を他者へ共有できる手段を身につけましょう。

その為には、歯科治療学以外にも様々な事を貪欲に学ばないといけません。


3.不確実性を楽しもう

明日の出勤途中に何が起こるか。

未来に何が起こるかなんて、誰も分かりません。

ただ、一つ確実に言える事はこの日本社会においては人口減です。

それが意味するものは何でしょう。労働人口減少、AIの活躍、今までには無い働き方etc.

不安を煽る気はありませんが、この問題を解決できるのはこのレポートを時間を割いて読んでいるあなたです。

一人で解決できる事なんて限りあり、だからこそ皆で建設的な議論が今こそ求められているのではないでしょうか。

そうする事で、より良い明日を迎えられる気がします。

不確実な未来を、より確実な未来へ。

これからも大いに困難を受け入れ、成長の糧にしようではありませんか。

今後も未来院長塾はそんな場を提供していきます。

来たる7月1日は歯内療法のスペシャリストである横田先生、口腔機能低下症というこれからのエビデンス構築を我々世代が解決しなければならない問題について、解決の一助となる企画を用意しましたので、受講生の皆さん奮ってご参加下さい。


                                    新井 是英