心のメンテナンス
こんにちは。
こころの健康支援室 そらいろのmirineです。
わたしたちは、semina stellaeをはじめた当初から「心のメンテナンス」を活動の大きな柱の一つとしてきました。
今回は、「心のメンテナンス」についてお話したいと思います。
日本でもカウンセリングやカウンセラーという言葉がだいぶ一般に受け入れられてきましたが、わたしが学生の当時から、日本の心理学は欧米から20年は遅れていると言われていました。
日本では、精神科医療のイメージが強くあるためか、カウンセリングも「心の病気や問題を抱えている人のもの」というイメージがどうしても拭えないようです。
日本の心理学が欧米から遅れをとり続けるのは、そうしたイメージが根強くあることも原因の一端であるかもしれません。
カウンセリングは、もちろんうつ病や統合失調症といった心の病気を持つ方にも行いますが、
欧米では特にこころの病気や大きな問題のない人でも気軽にカウンセリングを利用しています。
ライフサイクルの中で、人はさまざまな困難にぶち当たり、悩んだり、迷ったり、怒ったり、落ち込んだり、かなしんだりします。
大きな感情の揺れや、複雑な問題、ショックな出来事等、それまで何の問題もなかった人が突然困難の渦中に陥ることは、人の一生の中で特別珍しいことではありません。
大きな困難でなくても、日々の生活の中で心のバランスを保つのが難しくなる場面はいくらでもあり得ます。
欧米の人たちは、学生の頃から生徒一人ひとりに先生がアドバイザーとしてつき、気軽に生徒が他者に相談できる環境が整っています。
アドバイザーの先生は、必要であると判断すれば、学校専属のカウンセラーに相談に行くように生徒へ促しますし、特にアドバイザーの先生を経由することもなく、学校のカウンセラーに直接相談に行くこともあります。
誰かに相談することへのハードルが低いので、社会に出てからも自分の心の健康を保つために気軽にカウンセリングを利用する人が多いのです。
一方、日本でも公立校にスクールカウンセラーが設置されるようになって久しいですが、いまだにカウンセリングは「問題のある人のもの」という意識が強くあるようです。
人目が気になる人にとっては、「カウンセリングに行く=問題がある」と思われるかもしれないというのも、カウンセリングに行きにくくなる要因の一つでしょう。
しかし、カウンセリングは欧米の方たちが気軽に利用しているように、大きな問題や心の病気を抱えている人だけのものではないのです。
むしろ、カウンセリングは小さな困難を大きな問題や病気にまで発展させないためにこそ、とても有効な手段であると言えます。
日々のちょっとした迷い、感情の揺れ、小さな問題等をカウンセリングで相談することで、物事が複雑化したり、心が大変な状態になる前に対処することができます。
心が健康な状態を簡単にキープできるようになるのです。
そのため、そらいろではsemina stellaeとして活動をはじめた当初から、定期的に美容院に行ってヘアスタイルをいい状態にキープするように、整体やマッサージに行って身体の歪みを正すように、定期健診で身体の状態をチェックするように、定期的なカウンセリングで心の健康を保つ「心のメンテナンス」をおすすめしてきました。
身体の病気と同じく、心の病気や問題も、その芽が小さなうちに対処すると短く簡単な対処で健康な状態を取り戻すこともできますが、根が深くなればなるほど健康な状態を取り戻すまで長くかかってしまいます。
自分一人で対処できそうに思えても、専門家に相談してみると、話すこと、そして専門的な視点を持つ他者からの意見を聞くことで、自分一人で考えていた時には思いもよらなかった考えや解決策が見えてくることも多々あります。
生活サイクルの中にカウンセリングを取り入れて、「心のメンテナンス」をしてみませんか?
かしこ