紫陽花
2018.06.11 15:00
雨の匂いがして、まもなく降りだした
持ち合わせていた傘を差して、小路を早足で抜ける
―いつか見たスクリーンの向こうでは、遠い昔の言葉で逢瀬を重ねた2人が微笑んでいた
僕に、その音は作れないけれど、君にだけ掛けられる魔法ならあるかもしれない
冷たく濁った色さえ、淡く温かい声色に変えてしまうほど、大胆で
今日が今日であって良かったと、ふと気付けるように、こっそりと
―雨上がりの空に虹を見て、やっと君に出逢えた気がした。こんなに近くに居るのに
紫陽花の季節、雨を待ってもいいと思えた。