「宇田川源流」【GW特集 日本語論文のススメ】(8) 締めが良ければすべてよし
「宇田川源流」【GW特集 日本語論文のススメ】(8) 締めが良ければすべてよし
今年のゴールデンウィークは、「GW特集 日本語論文のススメ」をお届けしてきた。本日はその最終回ということになる。要するに明日からはまあ毎日仕事や学校に行かなければならないということで、休みが終わってしまうということになる。その前に、この「日本語論文のススメ」を終わらせておこうと思っていて、ブログは明日からまたいつものように行いたいと思っているのである。なお、最終回なので、短めかもしれないので、その点はご了解願いたい。
さて、前回は「文章の膨らませ方」ということを書いて、かなり様々な意味で文章の書き方の神髄に近いというかテクニックに近い内容を書いてみたような気がする。もちろん、文章の書き方にはさまざまなテクニックがあり、その内容をすべて書くことはできない。何しろ、文章の書き方に関しては「辞書」があるくらいなので、その内容をすべてここに書くのはなかなか大変である。そこで、前回はその中でも「どのような文章にも適用出来て、なおかつ簡単に書くことのできる内容」というのを書いた。それが「歴史」と「エピソード」である。
ラジオなどを聞いていると、「エピソードトーク」というものがある。パーソナリティーが、近くで会った様々な「体験」を語るというような感じで、そのような話をすること、そしてそこに必ず主観と自分の感じたこと、周辺の様子を入れる事、そして、話している時点での感想をしっかりと話すことによって、おもしろくなったり、あるいは、人間的な魅力が伝わったりすることがある。まさにその内容を真似て、自分の文章に活かすということがおもしろいのではないかと思うのである。
さて、今回は最終回にふさわしく「締めの言葉」である。
★ 文章の締め
何事もそうであるが「終わり良ければ総て良し」という言葉がある。言い方を変えれば「帳尻を合わせる」というような言い方もでき、あまり良い印象もないのかもしれない。しかし、論文というのは、「結論をどのようにわからせるか」ということが最も重要であり、そのことから「結論の書き方」が必要になる。ではその結論はどのように書いたら良いのであろうか。
結論の書き方に関しては、二つの方法がある。
一つ目は「そこで完全に終了する」というものである。これは論文などの場合も同じような形になるのであるが、基本的には「結論を書く」ということになるし、また、その内容は「しっかりとした各提携で書く」ということになる。
二つ目は「未来に向けての継続的な書き方」である。要するに「ここまでは結論として出すが、今後その発展形が出てくる可能性がある」というものである。
ある意味で、一つ目が「The End」であるのに対して、二つ目は「to be continud」という感じであろうか。このように考えてみれば、映画などの場合は、基本的には独片が期待されるので、次の内容を想定されるようなものが少なくないのであるが、論文の場合も、その後の内容をしっかりと見てゆくということになるので、その論文の続編がある場合は、その内容をしっかりと見てゆかなければならないということになるのではないか。
この終わり方は、当然に「その前の中身」で決めてゆくことになる。つまり、その前が十分な研究成果だけではない場合は「少し間を持たせる」という事になる。ある意味で「本が終わる」のではなく「一段落が終わった」というような感じになるのではないか。
この方に考えれば、文章の締めはうまく書くことが重要になる。
★ 結論のまとめ方
結論は、基本的には「初めにできている」ということになる。ある意味で「必ずテーマがある」ということを考えれば、そのテーマをしっかりとわかるような書き方にするのが、その結論の内容になる。
ある意味で歴史小説などでは「後日談」などを言いながら、その後日談の中で「誰かが回想する」ということで、その言葉の中にテーマなどを潜ませたりするのであるが、論文となるとそのようなものではないということになる。そのことから、その論文の内容をどれほど書いてゆくかということが重要になってくる。ある意味で「テーマをしっかりと伝えられるか」ということであり「結論」とは異なる内容になる場合もあるのだ。
つまり、結論とテーマが二つある場合には、そのテーマをわからせる書き方をできる野が「結論の章」であるということになる。「このような結論となり、○○ということがわかった」と書くのが論文の採集になるが、その後「テーマ」として「この論文をまとめることを通して、××ということを感じ、自らの成長または社会の発展に寄与することがわかった。これは多面的に考えて・・・」というような感じで、テーマを書きながらも、次のテーマにつなげてゆくということができる場面となる。「論文を通して」と記載することによってテーマは「全体にかかっている」ということになるので、その内容を見ることが可能になるのである。
このようにして論文を書いて行けばよいのではないか。
★ 日本語を楽しもう
さて、まさに今回の私のテーマであるが、まさに「多くの人に日本語を楽しんでもらいたい」と思っているのがこの「日本語論文のススメのテーマ」であるということになる。ある意味で「使っている道具でありながら、その日本語に親しんでいない」という現象が若者の間だけでなく大人の間にも蔓延してしまっている。その内容をもう少しよく考えなおして、見直してみてはいかがかということになるのである。そのようなことを感じていただければよかったと思いながら、この連載を、終わらせようと思う。