五感の映画(クソ映画)『せかいのおきく』
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授業でも江戸時代の糞尿リサイクルを紹介していたので、それが映画になったというので、見に行ってきた。
まあしかし、白黒とはいえ、すごい生理的な五感にうったえる映画でした。4Dとかでやったらどうだろう笑。なんでも、レビューをみると、途中で気持ち悪くなって中座するひとがいるとか。「ちゃぷちゃぷ」とか、「ドボン」「びちゃ」っていう音が脳内に白黒とはいえ、カラー化して投影プロジェクションするんでしょうなあ。
ただ、若い方々はべんつぼやらぼっとん便所を見たことなどはないだろうから、どこまで脳内再生がされるかは、どうなんでしょうかな。私はむしろインドでよく見たかなあ。
こういう映画を「五感にうったえる映画」とはまったく言わないんですね。ちなみに、「五感」は、「五感による至高の体験」といった感じで、プラスイメージでばかり使われているようです。ふむ。
この映画と共に、実際の糞尿を発酵させて肥料にしていく過程を実地することができれば、実は発酵するとそんなに臭くなくなるということも体験できるんじゃないかなあ。「臭い」というイメージだけが際限なく増幅するということになるかと。そこまで描いて欲しかったな。
あとは、できれば、おわい人の社会構造もあると良かったのに。2人だけで江戸中の糞尿を処理しているわけではなく、そこにはたくさんのおわいにんとその組合ヒエラルキーがあるので、そこもあるともうちょっと重厚な処理フローが見えたんじゃあ。まあ、エンタメとはあいいれなかったのかもですが。
衛生学の授業で、唾とか尿、便とか「なぜ身体の一部だったものが身体からいったん離れると汚く認識されるのか」という問いがあった。自己と他者との境界とはなにか。「便移植」って他者を受けれるってことか。ま、身体がどこまで自分のものなのかも怪しくはなってきているけれど。
おすすめのような、そうでもないような、まあ、五感に訴える映画ではあります。