梵珠山にて ヒョウノセンカタバミ
氷ノ山片喰(ひょうのせんかたばみ)
クローバーに似た三つ葉の葉っぱが、陽が翳り暗くなると葉の真ん中から折れる生態から、葉っぱが片方食べられてしまった姿に見立てて「片喰(かたばみ)」。
他に「傍食」や「酢漿草」とも漢字表記する。「酢漿草」の表記の由来については"カタバミ"の記事に記載。
そして、山地に生息するカタバミが"ミヤマカタバミ(深山片喰)"で、葉が真ん中から角丸の三角形をしているのが特徴。
さらにその変種(シノニム)で、氷ノ山(標高1510m/兵庫県・鳥取県)で採集されたものによって命名されたところから『氷ノ山片喰(ひょうのせんかたばみ)』。
花期は春の雪解け後(4〜5月頃)。
実際には氷ノ山だけでなくそれより東の日本海側・北海道にかけて広く分布する。
北日本では山地の林の下など少し日陰になっている場所に好んで生えるが、西日本では標高1000mくらいに行かないと見られないらしい。
花の色は白又はピンク色で、背丈の高さは4〜5cm程、直径3cmほどの花弁5枚の星型の花を、横向きに傾けて咲かせる(俯いて閉じていることも多い)。
葉は逆三角形というよりも、より丸みを帯びたハート型になる。
花の色がピンク色のものは"ベニバナヒョウノセンカタバミ(紅花氷ノ山片喰)"とも呼ぶ。
青森では梵珠山(標高468m/青森市)のブナの森の少し開けた場所でピンク色の花を咲かせるヒョウノセンカタバミの群生が見られる。
ちなみに、長年、ヒョウノセンカタバミは”コミヤマカタバミ(小深山片喰)"の大型変種だとされてきたが、最近の遺伝子解析によってミヤマカタバミの変種(シノニム)に分類し直されたと言う。
今まで、ミヤマカタバミは東北南部が北限とされてきたそうだが、一気に北限が北海道まで北上したことになるのか?
それとも、ミヤマカタバミの北方型としてヒョウノセンカタバミが位置付けられるのか?
ヒョウノセンカタバミの白花はミヤマカタバミと何が違うのか?
…葉の形は角丸の逆三角形に近く、花もやや大きめだし
葉の形や生育場所(ブナ林か針葉樹林か)など特徴の違いも結構あり、どっちでも良くない気もするんだけども…謎❓遺伝子🧬