Hokulea 星が教えてくれる道
夜明けから叩きつけるような
激しい雨が降り
ここ関西にも梅雨入りが発表されました
・
・
春と夏の間にあるこの雨季は
もうひとつの季節の代名詞
けれども どの季節にも間違いなくある
端境の移り変わる風景には
特別な自然の気配を感じて
・
けして後戻りすることのない
凛とした色彩や薫り
一刻一刻と変わりゆく
その微妙な変化の美しさ
・
二度と出会うことのない
そこに存在するすべてを
出来る限り五感で受け止めていたいと
思うのです
・
・
「ホクレア」という1冊の本を手に取ったのは
天と地が繋がるという
ウエサク満月の日
・
・
星や月、太陽の動き、風
波や海鳥の行方
自然が教えてくれる導きを手掛かりに
今から約10年ほど前
ハワイからミクロネシアを経由して
私達の住む日本まで
5ヶ月にもわたる航海をした
その伝統カヌーの物語は
心の奥深くに眠っている
大切なものを揺り動かしました
・
・
飛行機ならば たった数時間の距離であり
GPSで自分の位置を
いつでも簡単に知ることができる時代に
いつしか忘れ去られてきた「伝統航海術」を
現代に蘇らせた一隻のカヌー
・
・
その旅のプロセスは
古代の叡智と現代を結ぶ架け橋となり
太平洋の歴史そのものを
塗り替えたと言われています
・
・
・
「ポゥ」と呼ばれる熟練した航海術師たちに
与えられる称号
それは
星を知り、海を知るだけではなく
その知識や経験を、自分以外の誰かのために
使うという使命と
強くしなやかな心と精神を持ち
自分以外の誰かの命を担う責任を
果たすこと
・
・
海の上だけではなく、陸にいる時も
人と人との繋がり、自然との繋がり
いのちの繋がりの中で生きることを意味するのです
・
・
荒れ狂う嵐の中
圧倒的な自然の力と闘うのでもなく
逆らうのでもなく
自然が与えるものだけを
ただ静かに受け入れ
自分のできることにまっすぐ力を注ぐ姿には
私達の認識をはるかに超えた
人としての底知れぬ強さと深い愛情
あるべき姿を感じずにはいられませんでした
・
・
・
この地球上で繰り広げられる
空の色 海の色
星や月の美しさ
・
・
誰の為でもなく 何のためでもなく
ただそこに存在する美しさは
世界がどんなに慌ただしく動き続けても
混沌としていても
遥か遠い古来から
変わらずどこかで生まれ続けている
・
・
ただそれを
私達が感じようとするかしないか
それだけのことなのかもしれません
・
・
・
遠い昔 人々はなぜ
まだ見ぬ水平線へと旅立っていったのか
民族の争いや自然災害、食料危機
今となってはもう
本当の理由を誰も知ることはできないけれど
・
きっとそこには
命の危険をも顧みず
自分以外の大切な人の命を守る術を探す
そんな果てしなく深い想いや
愛があったのではないかと
感じます
・
・
5ヶ月間の長い旅を終え
海から引き揚げられたホクレア号
・
数えきれないほどの人に触れ 心に触れ
その船体にはびっしりと藻がはり
まるで生命を宿した存在のようだったといいます
・
・
「大きな宇宙船みたいだね」
クルーのひとりがそう呟く言葉
私はそこに
この美しい地球そのものを見た気がしました
・
星が教えてくれる道
それは
自分自身を信じること
自分以外の大切な命を守りたいと思う
深い愛から生まれる
自然だけがが授けてくれる
聖なる道なのかも知れません
・
・
* * *
どうすることもできないほどの痛みは
時に言いようのないほど
かけがえのないものを
生み出す力を秘めている
~Hokulea 星が教えてくれる道~
・
・
information
『2018’ 夏至のフラワーエッセンス』
(満席となりました。)
詳細はHP・フラワーエッセンスのページをご覧ください。