栗の実ならずも ミツバツチグリ
2023.05.07 04:39
(2023/5/3 青森県つがる市・ベンセ湿原)
三葉土栗(みつばつちぐり)
バラ科キジムシロ属/多年草
葉のつき方が"三つ葉"で(これはキジムシロ属の仲間-ミヤマキンバイやヘビイチゴ等-に共通する葉っぱの特徴)、根茎が太くてまるで栗の実のようになる"土栗(つちぐり)"と似ているところから、合わせて『三葉土栗(みつばつちぐり)』。
ツチグリという名前のキノコがあるが、キノコには根茎等ないので違う。
同じツチグリでも、これは西日本(近畿〜九州)に点在して生息する、同じバラ科キジムシロ属の植物で5枚葉の"ツチグリ(土栗)"のことを指す。
このツチグリの根茎が肥大化して丸い玉状になり、この皮を剥いて食べられていたところから"栗"に喩えて"土栗"と名付けられたと考えられる。
ミツバツチグリも同じように根茎が太くはなるが、ツチグリ程に肥大化して玉状になることはなく、食べても美味しくはないらしい。
どちらかと言うと、三つ葉から更に花茎が伸びた先に黄色い花を三つ程枝分かれして咲かせる、その花の色形と草本全体の姿等から、ツチグリの名が与えられたのだろう。
九州〜近畿以外ではツチグリを見ることはないのだが、『三葉土栗(みつばつちぐり)』という和名はツチグリを先によく知っていた植物学者…恐らくは牧野冨太郎博士(高知県生まれ/1862-1957)あたりが標本化して付けた名前かと思われるがどうだろう。
ミツバツチグリの花期は4〜5月で、北海道から九州まで日本全国に分布し、広陵地帯や草原、湿原の脇等に生息している。
花言葉:可能性を秘めた
これは地中で丸く膨らむ根茎から由来しているので、本来ならツチグリの花言葉だろう。
情報が色々と混乱しているようだ。