魂が満たされる

古典フラを思う存分
教えてもらえた日々でしたが

いつの間にか私が聞き過ぎていたのか
なんとなくぎこちない空気が漂うようになった頃

知人から
古典フラでペレに精通しているケクヒ氏が
近々オリだけのクラスを開講することを
教えてくれたのです

実は最初の師匠、マーク氏から
ペレの事を知りたいならケクヒ氏、と
言われていた頃から
密かに憧れていたケクヒ氏

彼女から直接レッスンを受けられる機会は
もう二度とないかもしれない、と

思い切ってクムに
ケクヒのクラスを受けたい気持ちがあることを
打ち明けました

クムも嫌な顔をするどころか
快諾してくれ、私はクムとケクヒ氏から
レッスンを受けることになったのです

ケクヒ氏のレッスンは
一言でいうと「マニアック」

祭壇づくりから始まり
なぜ、ここで声を出すのか？
なぜ、この声を使うのか？

「なぜ？」
「なぜ？」

と何度も生徒達にクエスチョンを投げかけてくるのです

「なんで？を忘れたら死ぬのと一緒です」
「いつでも、なんで？って思ってなさい」

そう話す彼女を見て
私は心が震えるほどに嬉しかったのです！

私はわたしらしく生きていていいんだ！

小さい頃からずっと探していた
あるかどうか分からなかった場所

それはあったのだ！
やっと見つかった･･･

私にとってケクヒ氏との出会いは
それ位の深い喜びがありました

彼女は私の疑問を受け入れ
その上で一方的に意見を押し付けたり
安易に答えを教えようとせず

「こういう風に考えてみたらどう？」
「ここをやってみると分かるんじゃない？」

と自分の中で答えが探せる方法を見出せるよう、導いてくれ
自分で考えることの大切さを根気強く教え続けてくれた

やはりそれは
彼女も自分の内から湧いてくる「なんで」を無視せず
試行錯誤し、経験と結びつけて得た知恵を糧としてきたからでしょう

私はやっと
探していた大事なピースの一部が埋めてくれたような
充足感に満たされながら

クムレフアからフラを、ケクヒ氏からオリを学ぶ日々が続きました

（つづく）