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しのろ駅前医院

きょうからコロナ「5類」何が変わる?

2023.05.07 21:53

2023年5月8日 05:00


 新型コロナウイルス感染症の法的位置付けが5月8日、季節風インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられます。入院勧告や外出自粛要請などの措置はなくなり、感染した時の受診の流れや療養期間の考え方も大きく変わります。一方、新型コロナの感染リスクが完全になくなるわけではありません。感染対策や治療を行う時の注意点などをまとめました。(東京報道 根岸寛子)

■感染対策 個人・企業の判断に

Q 新型コロナのこれまでの法的な位置付けは?

A 感染症の種類はさまざまで、感染力や症状の重さも異なります。このため、日本では感染症の発生やまん延を防ぐために必要な措置を定めた感染症法によって、危険度の高い順に1~5類に分類され、国や自治体が実施できる対応が決められています。新型コロナはこれまで「2類相当」の新型インフルエンザ等感染症に位置付けられ、政府はこの法律に基づいて新型コロナ感染者らに入院勧告や外出自粛要請を行ってきました。

Q なぜ「5類」に引き下げるの?

A 感染力は強いが重症化しにくい「オミクロン株」が主流になったことやワクチンの普及によって、重症化する人の割合が減ったことが理由の一つです。道内でも緊急事態宣言などの措置が繰り返し実施されてきましたが、国内で感染者が初確認されてから3年が経過し、国や道が個人の権利を制限しなければならないほど、生命や健康に重大な影響を与える病気ではなくなったと判断されました。

Q 「5類」になると、何が変わりますか?

A 5類には、感染症法に基づいて、国や自治体が行える措置がほとんどありません。感染対策は個人や事業者の判断が基本となります。診療した医師が感染者の発生を届け出る必要もなくなります。新型コロナ対応の特別措置法の対象外になり、行政が緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を発令することもできなくなります。

■「5日間の外出自粛」を推奨

Q 「5類」移行後は、感染しても外出していいのですか?

A 厚生労働省は感染症法に基づき、これまでは新型コロナに感染した場合は7日間の外出自粛を求めてきましたが、5類になるとなくなります。ただ、高齢者施設などから「感染した場合、職員がいつ職場に復帰してよいのか、指針を示してほしい」との声があったため、個人や事業者が判断しやすいように療養の「目安」を示しました。他の人に感染させるリスクが高いため、発症翌日から5日間、5日目も症状がある場合は軽快から24時間程度が経過するまでは外出を控えるよう推奨しています。

Q 学校の対応はどうですか?

A 学校に通う子どもたちについては、出席停止期間を「発症後5日を経過し、かつ症状が軽快した後1日を経過するまで」に見直します。新型コロナ感染者は発症から6日目になると、ウイルス量が大幅に減るとのデータがあるためです。ただ、まだウイルスを排出する可能性は残っているとの意見もあり、厚労省は療養が終わってから10日間はマスクを着用し、高齢者らリスクの高い人への接触を控えることなどを呼びかけています。

Q 「濃厚接触者」の扱いは?

A 5類になると、保健所から濃厚接触者として特定されることはなくなります。家族、同居している人が感染した時には、5日間は体調の変化に注意し、7日目まではマスクの着用や高齢者らとの接触を控えるよう求めています。

■医療費は原則自己負担に

Q 5類移行後は、感染したらどうすればいいの?

A 厚労省は、新型コロナの感染が疑われる場合、まずは国の承認を受けた検査キットで自ら検査することを呼びかけています。キットは薬局などで事前に買っておくとよいでしょう。結果が陽性でも、症状が軽い場合は自宅で療養します。高齢や持病などのため重症化リスクの高い人や、症状が重くて受診を希望する場合は、医療機関に連絡しましょう。受診時にはマスクを着用します。

Q どの医療機関でもいいのですか?

A 国は、これまで新型コロナに対応してきた医療機関に加え、季節性インフルエンザを診療する内科や小児科で広く受け入れる体制を目標にしています。ただ当面はどこへ行けばよいかが分かるよう、対応できる医療機関名を自治体が公表します。入院患者は治療実績がある施設での受け入れが中心となりますが、将来は全病院での対応を目指します。

Q 医療費は?

A 原則として自己負担が発生します。外来の負担額は季節性インフルエンザと同程度となり、厚労省は3割負担の場合で最大4170円、1割負担の場合で同1390円と試算しています。急激な負担増を避けるため、医療費の一部への公費支援が9月末まで継続されます。具体的には、外来では抗ウイルス薬モルヌピラビルなど高額な治療薬代が対象で、入院費は毎月の自己負担額に上限を設ける「高額療養費制度」を適用した上で、最大2万円を補助します。

■マスク着用推奨の場面も

Q 道内では、感染者がまた少し増えているようです。

A 新型コロナが5類になっても、ウイルスが消えたわけではありません。基本的な感染対策は引き続き重要です。マスクの着用は3月から個人の判断に委ねられています。その上で厚生労働省は病院や高齢者施設、混雑した電車やバスといった一定の場面では、周囲に感染を広げないために着用を推奨しています。「対面で会議する場面でも着けた方が良い」と指摘する専門家もいます。厚労省は、高齢者や、がんや心臓の病気など持病がある人、妊婦といった重症化リスクの高い人が混雑した場所に行くときは、着用が効果的としています。不特定多数と接する接客業の人も着けた方が良いかもしれません。

Q 換気も必要ですか?

A 空気中を漂う細かい粒子による感染を防ぐため、換気扇をつけたり窓を開けたりして部屋の換気をするのは重要です。手洗いやうがいも徹底すれば感染リスクを下げられるでしょう。

Q いつまで感染対策を続ければよいですか?

A 新型コロナの流行が、将来どうなるかは予測ができません。対策に関わってきた専門家は今後、流行「第9波」が起こり「第8波より大きな規模になる可能性も残されている」と指摘しています。基本的な対策に加え、体調が悪い時は学校や職場には行かず、自宅で休みましょう。

北海道新聞よりシェアしました https://www.hokkaido-np.co.jp/article/841758/