自分で自分に、婚約指輪を買った話
昨日は手芸屋にアクレーヌというニードルフェルトの材料を買いに行った。
針でちくちく刺して形にするものだ。
羊毛フェルトとやり方は同じだけど、繊維がアクリルでできていて、羊毛フェルトよりまとまるのが早いのが違う。
これでくらげのマスコットを作ろうと思う!
そして…ここからはぬいぐるみとは関係ない話。
友達にも両親にも話せない。
特に夫には絶対に話せない。
でもこの嬉しい気持ちを書き留めたい!
だから書こう。
今日は手芸屋に寄った帰り、
夫に内緒で、結婚したときもらえなかった婚約指輪を自分で自分に買ってしまった!
(うれしいから太字)
その指輪は雑誌で一目惚れしたものだった。
買うなら絶対これ!と心に決めた。
ダイヤモンドの横に、きれいなアクアマリンがついたエンゲージリング。
ほかにもカタログでいろんな指輪を見たけど、全然心が動かなかった。
この指輪しかないと思った。
でも当時の夫は色々あってまだ全然お金を持っていなかったし、アクセサリーを買うことに全く理解を示してくれなかった。
さらに結婚式をやることにも反対。
「世の多くの人がやっているからと言って、それに影響されて意味のないものを買ったり形の残らない儀式に大金をかけるのは無駄だ」という考えだった。
伝統だ、愛の象徴だなんだと建前を並べ、本音ではお金を使わせたいだけの業界に踊らされてはいけない、と。
その考えは一理あるなと思った。
でもそれで諦めがつくほど私は冷めてはいなくて、華やかな結婚に対して人並みに憧れを持っていたし、
これがメディアに感情を操作されているだけだとしても、自分も同じようにやってみたいと思っていた。
夫婦でおそろいの指輪をつけて歩いてみたかった。
とは言え夫が全く望んでいないのにお金を出させるのも、なんかおかしい。
それで結局、
欲しかった婚約指輪は買わずに安いシルバーの代替品でプロポーズをする、
お揃いの結婚指輪は買うし結婚式もやるけど、費用は全額私が出すということで落ち着いた。
自分で出す分、全部私のやりたいようにやるから、あなたは何も言わず好きなようにさせてねと夫に言って…。
結婚指輪は欲しかった婚約指輪と同じブランドのシリーズのものを買った。
同じシリーズだから、これで我慢しようと心に決めた。
お会計の直前に「婚約指輪、すごく欲しがってたけど、もういらないんだね?どうしても欲しいなら、分割とかして僕が買ってもいいけど…」と言ってきたけど、何を今更言ってるんだこの男は?と腹が立って断った。笑
最終的に、夫は結婚にまつわるものに関しては本当に1円もお金を出さなかった。
夫婦おそろいでつけて歩きたくて買った夫の分の結婚指輪は、2,3回つけただけでずっと箱に眠っている。
夫は結婚式に反対していた割に、結構楽しんでいたように見えた。
…恨めしい気持ちが全くないわけではない。
だって本当はAmazonで買った安物のシルバーリングじゃなくて、あのきれいでかわいい婚約指輪が欲しかった。
渋々じゃなくて、分割で買おうか?なんて聞かないで、気持ちよく買ってほしかった。
結婚式、半額とは言わなくても、1/3くらい出してもよかったんじゃない?
なーんて思ったり…ね。
あのプロポーズの日にもらったシルバーリングはすっかり真っ黒になってしまって、まるで私の恨みと後悔がかたまりになったかのように見える。
前にその話を1人だけ友人に話したら、なんでそんな人と結婚したの?大丈夫なの?と本気で心配された。笑
しかし夫は良い人なのだ。
ケチなわけでもなく、日々気を遣ってお土産を買ってきてくれたり、食べたかったものを作ってくれたりする。
こちらが何も言わなくても察して、家事も育児もやってほしいことを先回りしてどんどんやってくれる。
性格は優しくて温厚で(ぬいぐるみ虐待マンであることを除けば)最高の伴侶だ。
結婚して良かったと思っている。
でも…指輪と結婚式にはお金を出してくれなかったな。。あーあ。
婚約指輪については、数年経てば熱も冷めていらなくなるだろう。
結局タンスに眠ってるってみんな言うし。
そう思って自分を落ち着けようと思ったのが2年前。
しかし。
驚くことに2年半経っても、私の指輪への憧れは全くなくならなかった。
この2年半、夫に隠れて暇さえあれば指輪のサイトを見ていた。
似たようなファッションリングで安価なものがないか探してみたこともある。
でも全然欲しくならなかった。
ハンドメイドの指輪をいろいろ作ってみれば飽きるだろうと思ってやったこともあった。
でもいくつ作っても全然満たされなかった。
もうここまで熱が冷めずに欲しいなら、買っていいのでは?
あんな大変な妊娠期間を経て激痛の出産を乗り越えた自分に、ご褒美を買ってもいいのでは?
婚約指輪と言っても、100万とかする高価なブランドものではない。20万ちょっとのものだ。
婚約指輪にしては安い方だろう。
そう思ってついに買いに行ったのが昨日。
結婚指輪を買ったのと同じお店。
店内のどこにお目当ての品が置いてあるのかだってよくわかっている。
女性が1人で来店し、
入店早々に「この指輪を買いたいんですが」と言ったものだからさすがに店員さんがちょっと不思議そうな顔をしていた。
それで訳を簡単に話すと、店員さんは「そんなに長い間ずっとこの指輪のことを想っていてくださったんですね!」「こっそりご褒美に買っちゃうなんて素敵ですね」と言った。
まぁ、お店の人は客が買ってくれるんだから否定なんてするわけよね。笑
支払いのときはさすがにドキドキした。
妊娠してから体調を崩して仕事を辞めたので、今は無職。
20万ちょいの出費は当然痛い。
でも……全く後悔していない。
むしろすごく晴れ晴れとした気持ち!
指輪が届くまで約1ヶ月半かかるそうだ。
ずっとずっと欲しかった指輪。
憧れのかわいい指輪。
婚約のための指輪なんていう意味づけはどうでもいい。
私はあの指輪のデザインがすごく好きなのだ。
早く指に通したいな。
知り合いには言えない、指輪の話でした。