Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

マインドフルネスの原点  ティク・ナット・ハン

2023.05.10 06:48

FacebookKumiko Jinさん投稿記事

昨日のアン・フーンさんのお話が深く響いたので全部じゃないのですが、メモと私の覚えている限りシェアしたいと思います。

ーーーーーーーーー

1月12日アン・フーンさんの法話①

サンガというのは喜びや希望だけでなく、苦しみを安全に分かち合うことのできる場です。

苦しみを自分の中で抱えていると、苦しみは増えていき、呼吸ができなくなり、苦しみが爆発してしまいます。

サンガの中にはマインドフルネスと心が定まっていく働きがあり、怒りや苦しみ、恐れや無力さを大きな腕で抱きしめることができます。

年末にワシントンで開かれた5日間のリトリートにある20代の若者が参加していました。彼は苦しみを抱えていて、人生を終わらせたいと考えていました。

苦しみはとても大きく、なんとかして苦しみが癒される方法を探している中で、私たちの瞑想センターのウェブサイトに出会い、瞑想についてもマインドフルネスについても何も知らないまま参加しました。

彼は子供の頃から苦しみを抱えていました。そして、自分の10歳の娘を自殺で亡くしてどうしたら良いか分からずにいました。非常に大きな苦しみと恐れを抱えていたのです。

表面的には彼はいつも微笑んでいました。でも心のうちは深く混乱し、痛みを抱えていました。かれが本当に思っていることを語ることができなかったのは、幼い頃から、自分が本当に思っていることを表現することが許されず「幸せでいなければいけない」と思っていたからでした。

でも、リトリートの中で安心・安全な環境があることで変化していきました。みんなが深くプラクティスしている場の中にいると、彼の心はだんだんと開かれていき、自分自身の話や自分の感情について語ることが出来るようになったのです。癒しが彼に起こりました。

新年のお祝いを私たちの会で開いた時には、彼の若い奥さんもやってきました。奥さんは、短い間のうちに夫が大きく変わったのを見て「何が彼をこんなに変えたんだろう?」と好奇心を持ったのです。

彼女もその場に来ると、自分自身が抱えていた苦しみや痛みを分かち合うことができました。彼女も瞑想について学んだことは一度もありませんでした。愛にあふれた環境で、マインドフルネスと心が定まる力が強い時奇跡が起こるのです。

それは、泣くことができなかった人が泣くことができる奇跡であり、笑うことができなかった人が笑うことができるようになる奇跡です。

そして、マインドフルネスと心が定まる力が強い時、そこには智慧が生まれます。智慧とは、新しい理解のことです。智慧により、自分や相手や苦しみに対する新しい理解を持つことができるようになります。

山西先生から1995年の来日ツアーのダルマトークのビデオをお借りしてその中のQ&Aでのタイ(ティック・ナット・ハン師)のお話が印象的だったのでシェアしたいと思います。

Q.第三世界の人権を広める活動を自分の道として使命を感じてやってきました。世界が良くなるようにこれまで働いてきて、家族も私がやっていることを応援してくれています。でも、どんなに活動をしてもこの世界から貧困や難民の問題がなくならず、活動する人の数が少なすぎることを思うと絶望感や無力感を感じてしまいます。このような絶望感や無力感をどうしたらいいでしょうか?

A.自分をまず大切にしてください。ヨーロッパで私は多くの医者や看護師、ソーシャルワーカーや平和活動家などの人のために働く人々に会う中で似たような話を何度も聞いたことがあります。人のために活動する人は菩薩です。でも、完璧な菩薩である人間はいません。自分には限界がある、ということを知らなくてはなりません。

自分の限界を知っているということは非常に大切です。自分自身を保つことができる時間とエネルギーの中で活動をすること。そして「No」という術を知っていなければなりません。たとえそれが、そこにある苦しみに対して無関心であるかのように聞こえるとしてもです。人をがっかりさせたくないとあなたは思うかもしれません。それでも自分自身を守るために「No」と言わなければならない時があるのです。自分自身の苦しみを知らなければ、燃え尽きてしまうからです。

私がもし朝3人の人の苦しみの話を聞いたら、その苦しみのためにご飯が食べられなくなってしまうでしょう。林の中に入り、歩く瞑想をして、木に触れて、呼吸に帰り、自分がふれた苦しみを消化しなければ、食事はできなくなってしまいます。

自分の限界を知らず「No」と言うことができなければ、あなたはいつか倒れてしまいます。それはあなたが奉仕したい人のためにもならないのです。

その問いに対する2つめの答えは、サンガを持つということです。関心を同じにして自分を理解してくれる友人を持つことによって、問題に圧倒されなくなります。そういった仲間と何気ないことを楽しむ時間が大切です。一杯のお茶や庭を散歩することを楽しめなくなったら危険です。何気ないことを楽しむことができれば、自分の中の生き生きとしたエネルギーを保つことができます。友人とそのような時間を楽しむことができれば、問題に圧倒されなくなるのです。

(清里リトリート⑤質疑応答ーマインドフルの呼吸の秘密、より)

https://www.youtube.com/watch?v=NPoxWV8J6_o

https://www.youtube.com/watch?v=B5u3F8IPui8&t=651s