「タクシー運転手」観ました
こんにちは。スタッフのEriです。
5月は意外と社内も慌しく、ブログ更新がすっかり遅くなってしまいました。
今回は、久しぶりに観た映画について書きたいと思います・・・
韓流ファンのみならず、興味がない方でもタイトルくらいは聞いたことがあるかもですが。
韓国俳優ソン・ガンホ主演の「タクシー運転手」です。
ソン・ガンホは言うまでもなく、ユ・へジン、リュ・ジュニョルなど、キャスティングもかなり豪華、それだけでも期待感が増します。そして、このストーリーで最も重要な役割のドイツ人記者ピーター役は、なんと「戦場のピアニスト」に出演したトーマスクレッチマン。
光州事件の実態を世界に報道するために潜入したドイツ人記者と、彼をソウルから光州に連れて行ったタクシー運転手のストーリーで、事実を元に作られています。
映画のモデルになった光州事件というのは、1980年に起こった、民主化を求める市民を軍が武力制圧した事件。日本では「事件」と表記されますが、韓国語では「5.18 韓国民主化運動」と書きます。
朴正煕(パク・チョンヒ、パク・クネ前大統領の父)大統領暗殺事件を発端として起こった事件のようですが、恥ずかしながら私はこの時代のことをほとんど知らず・・・
ただ、私の韓国語の先生曰く、「韓国人でも真実を知る人間は少ない」とのこと。
当時は徹底的にマスコミ統制もされていたことから、光州市民以外の韓国人は、ただの若者の暴徒くらいの捉え方しかしていなかったとか。
この映画がこれほど重い題材を扱ったにもかかわらずヒットしたのは、あくまでもタクシー運転手の視点から見た光州だったり、光州市民達の様子を描いているのがよかったのではないかと思います。
この事件の真実は諸説あるわけで、映画では、なぜこの事件が起きたのか?などははっきり描かれていません。でもそれがまさにソウルから来たタクシー運転手の目線なわけで、観客も共感できるし納得できる。ただ、罪のない人々が意味もなく暴力を受けるシーンなどは、実際の報道どおり(ドイツ人記者が撮影した映像など)忠実に描かれていて、それはかなりショッキングな映像になっています。
1980年なんてそれほど大昔ではないのに、このような辛い時代を経て、今の韓国があるんだとしみじみ思ってしまいました。
あと個人的によかったのは、ソウルから来たよく知らない人間に対して、光州の人々は温かく迎え入れ、困っているときは助けてくれるシーンなど。
こういうところは、今の韓国にもまだ残っている精神…というか、私自身韓国へ行くと、よく現地の方々に助けられることしばしば…それと似たような場面が、この映画でも見ることができます。
韓国では2017年8月に公開されましたが、映画に登場したユルゲン・ヒンツペーターの妻であるエーデルトラウト・ブラームシュテトが韓国を訪問し、文在寅大統領とともに鑑賞したとか。そのときの様子が↓の写真。ヒンツペーターは2016年に亡くなっていたので、映画を一緒に観ることはできなかったわけで…残念です。
日本でも今年4月21日公開で、まだ上映している映画館もいくつかあります。
ぜひ皆さん一度観に行かれてはいかがですか。
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