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展覧会に行こう!甲斐千代子の取材日誌〜

「生誕150年 横山大観展」

2018.06.12 15:05

京都国立近代美術館で開催中「生誕150年 横山大観展」

横山大観の生誕150年と没後60年を記念して、大観の代表作を網羅した「これぞ!大観」と感じさせる大回顧展です。

(取材で伺い、会場内は許可を得て撮影しています。画像の転記転載などはご遠慮ください)

横山大観とは・・・

明治元年、常陸の国水戸(現在の茨城県水戸)生まれ。東京美術学校の一期生として入学、岡倉天心や橋本雅邦らに学びます。


第1章 「明治」の大観

日本画近代国家として生まれ変わった時期。

東京美術学校に入学した大観は岡倉天心の指導を受けながら、チャレンジ精神を発揮しました。

新しい時代に新しい美術を…試行錯誤の中生まれたのが「朦朧体」輪郭線を描かずに絵画を組み立てる手法です。

105年ぶりに発見された作品も展示されています。《白衣観音》です。(画面右)

右 《白衣観音》明治41(1908)年


星空好き甲斐の注目point① 「彗星」

1910年5月に地球に接近したハレー彗星を題材にした作品。

当時、各新聞にも取り上げられ大いに世間をにぎわせました。

「愈よ本日 ハレー彗星の尾に包まる ・・・正午頃より十六七時間を彗星の尾の中に包まるべ此のの時に於いて・・・(1910年5月10日読売新聞記事 一部抜粋)」

《彗星》明治45(1912)年頃

この作品について、京都国立近代美術館の研究員・梶岡秀一さんに伺いました。

「彗星が記録された時期、大観は東京・池之端に住んでいた。大観自身が彗星を観測した記録はなく、当時の新聞報道で目にしたイラストや解説文を参考にして、 壮麗な天体ショーの様子を(理想化しつつ)表現したものと考えられる。」とのこと。深いです!


第2章 「大正」の大観

明治期の試行錯誤を踏まえたうえで、色彩表現を大胆に追求していく時期でした。

水墨画の大作《生々流転》は国内最長・全長40mを超える画巻で、水の流れをひたすら描いています。その姿が人の生涯を連想させるということで、発表当時から大変な話題を呼んだそうです。

今回は、40m超えの大作が3つの場面(3期)に分けて展示されます。


星空好き甲斐の注目point② 《南溟の夜》(右の作品)

左上にきらめく星たちが・・・

右《南溟の夜》昭和19年2月 東京国立近代美術館


第3章 「昭和」の大観

名実ともに画壇を代表する画家となった大観、この時期「日本的な美しさ」を追求していきました。

大観といえば《紅葉》と《夜桜》

力強く、かつ、細かい描写が美しい目にも鮮やかな《紅葉》と燃えさかるかがり火に浮かび上がる、幻想的な《夜桜》圧巻です。前期のみ(7月1日まで)の展示です。


星空好き甲斐の注目point③ 様々な月

満月、下弦の月など(形から推測しました)様々な姿の月が描かれています。

大観にとっての理想の月は何だったんでしょう・・・。


明治・大正・昭和と3つの時代を生きた横山大観。新しい題材や表現に果敢に取り組み日本画の新境地を切り開いた横山大観。

展示総数89点、前期53点、後期56点と、前期と後期で大きく作品が入れ替わります。中には1週間程度しか公開しない作品もあります。見逃さないようにお気を付けくださいませ。

「生誕150年 横山大観展」

京都国立近代美術館で前期は7月1日まで、後期は7月3日~7月22日まで開かれます。


京都国立近代美術館HP↓

http://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2018/425.html

「生誕150年 横山大観展」公式HP↓

http://taikan2018.exhn.jp/