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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

第5回十字軍2-アルビジョワ戦争再燃す

2018.06.08 12:17

教皇インノケンティウス3世が崩御した1516年、フランスはイギリスに攻め込んでいた。結局敗退して戻ってきたわけだが、さらにその年南仏のアルビジョワ戦争に火がついた。トゥールーズ伯レーモン6世は元の領地を奪回したが、1513年同盟者アラゴン王ペドロ2世をミュレの戦いで失った。

十字軍総司令官シモン・ド・モンフォールは再びトゥールーズに攻め入り形勢逆転。レーモン6世はまた悔悛し、ヴァチカンに領地安堵を願い出たが、すったもんだのあげく、ラテラン公会議で、シモンが新しいトゥールーズ領主として認められ、レーモン一党は放浪の身となった。

しかしである。新領主シモンと、もう一人の十字軍指導者アルノーとが内輪もめを起こしてしまう。市民達は元の領主がいいとラブコールをし、レーモン6世父子はアヴィニョンに歓呼の声で迎えられた。そして翌17年にはまたしてもトゥールーズを奪還してしまう。

18年には総司令官シモンが戦死。フランス王家もさすがに動き、王太子ルイを援軍に派遣したが、シモンの息子アモーリーは十字軍をまとめきれず、敗退し、王太子軍も撤退。泥沼の戦いは一向に終わる気配を見せず、ただでさえ現実主義者の仏王フィリップ2世が十字軍に応ずる可能性はなかった。

下はシモン・ド・モンフォールの死