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税関で止まったコンバースを輸入する方法

2022.06.06 20:05



 


日本の税関が没収できる貨物


関税法69条の11に列挙されている貨物です.


麻薬類、銃刀類、猥褻図画、児童ポルノ、知的財産権侵害品、不正競争構成物品が規定されています.


また関税法70条には、他法令で許可承認等を必要とするものを輸入するときは証明書の提出が必要と規定されています.


代表的なものはワシントン条約該当物品です.


 


関税法で輸入が制限されていなければ、税関で没収されることはありません.


例えば、アメリカで買ったコンバースのスニーカ.


コンバースは輸入できない、と言われていようですが、どのような理由で輸入が制限されているのでしょうか.



考えられる法規は関税法69条の11に規定されている知的財産権侵害品です.


そして知的財産権の中の商標権です.


 


知的財産侵害物品とは


商標権を侵害するための要件が商標法に規定されています。


商標法では、登録商標と同一の指定商品・指定役務に登録商標を使用する行為は商標権を侵害すると規定されています.


つまりコンバースという登録商標と同一の指定商品である靴に、コンバースという登録商標を使用する行為は商標権を侵害することになります.


そして商標権を侵害するコンバースのスニーカを輸入しようとした場合、税関はコンバースのスニーカを没収できることになります.


 


商標法や特許法などの知的財産法は産業立法と呼ばれる法律です.


法律の目的は産業の発展です.


このため産業の発展に寄与しない行為は保護対象から外しています.


産業の発展に寄与しない代表的は行為は、個人で使用することを目的とする場合です.


自分が履くためにアメリカで買ったコンバースのスニーカを日本へ輸入する行為です.


 


個人で使用することを例外にする他にも、個人での使用であるか否かに関わらず、いわゆる並行輸入品と認められた商品を輸入する場合も税関で没収されることはありません.


並行輸入品として認められるための要件は複雑です.


日本と海外で品質に差異がないこと.


日本の商標権者と外国の商標権者が実質的に同じこと.


外国で違法に入手したものではないこと.


これらの要件を満たす必要があります.


 


知的財産権の侵害を判断する認定手続きとは


個人での使用や並行輸入品であることは認定手続きという知的財産権の侵害を判断する手続きで判断されます.


通関検査で疑わしいと税関職員が判断した貨物は、認定手続きを開始して、権利侵害の有無を判断しなければなりません.


 


認定手続きは、輸入者にとって疑いを晴らす手続きです.


認定手続きで個人の輸入あることや、平行輸入品であることを証明できれば、たとえコンバースであっても通関することができるのです.