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日本にいると実感しにくい契約書の良さ

2021.02.15 05:53

ビジネスに契約書は必要。


ところが日本で交わす契約はセレモニー的なところあって、


ビジネスを始めることが決まったあとで契約をしている、


というのが実態です。


 


なぜ、そんなことになるのか。


一つは日本人の同質性。


日本人の高い同質性は、


契約を交わすことなくお互いに察し合うことができます。


そんなこと言わなくても分かっている、


と言われるように、


契約書を交わすことで契約に水を指しかねません。


 


そしてもう一つは成文法が充実していること。


契約は当事者同士を縛るものです。


かりに契約書を外れて民法典のお世話になった場合でも、


おおよその結論を予め知ることができます。


 


このことは外国でビジネスをすると、


その有り難さを実感することになります。


契約を離れてトラブルの判断を国家が定めた法律に委ねると、


日本のように予め結論を予想するという訳にはいきません。


 


日本は大陸法を規範としています。


その中でも充実した成文法が構築されています。


同じ成文法の国であっても、


日本のように細かいことまで定めている、


こういう国は多くありません。


 


そして英米法の国。


成文法を設置せず過去の裁判例に判断を委ねています。


これが全く予想がつきません。


英米法を採用する国は、


イギリス、アメリカを旧宗主国とする国々です。


ほとんどのASEAN諸国がイギリス、アメリカを旧宗主国しています。


ASEAN諸国といえば多くの日本企業が進出している国々です。


 


そんな英米法の国でビジネスをするときに、


日本と同じような感覚で作成した契約書は全く機能しません。


 


日本式契約書は極端に言えば、


信義則条項を設置するだけでよく、


仮にトラブルになった場合でも、


互譲の精神を以て協議する、


これで解決を図ろうとする方法です。


 


トラブルになったときに話し合いが成立しない、


このことは経験者なら感じていることです。


契約書に何も規定していない状態で司法判断に委ねても、


結果がどうなるか全く予想がつきません。


 


かくいう自分も、


中国にいたときに契約不備の洗礼を受けています。


そのときの経験談を経営者に話します。


とてもリアルです。