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美的なるものを求めて Pursuit For Eternal Beauty

摩訶不思議なインド風建築がそこに・・「築地本願寺」(伊東忠太 作 1934年<昭和9年>)

2018.06.10 06:59

(「美の巨人たち」テレビ東京放映番組<2015.8.8>解説より引用) 

   築地市場にも毎朝届く鐘の音・・・そこは、寺と教会を合わせたような不思議な空間。近くの「築地本願寺」からの鐘の音である。

日本の寺院建築にして、西洋建築さながらの鉄筋・鉄骨コンクリート造りと、建物全体の景観は、異国情緒をも感じさせる極めて珍しい存在だ。

本建築物は、2014年12月に「重要文化財」に指定されたばかりである。

 関東大震災の際に、木造建築であった本堂を火災で焼失。京都の西本願寺の別院として、火災と地震に負けない建物をとの想いから、明治神宮や平安神宮の設計なども手がけた、伊東忠太により設計・建築された建物である。

 佃島の門徒が中心になり、本堂再建のために海を埋め立てて、再建のための土地を築いたが、それがいまの「築地」という地名の由来となっている。

(番組を視聴しての私の感想綴り)

 番組の中で紹介されて初めて知ったことであるが、ギリシャの神殿・宮殿も、かつては木造であった時代があったとのこと。

 (学校では、習った記憶がない?) その後の「石造り」に転換するまで、ゆうに1,000年間はかかっている。

 日本の木造建築である寺院も、石造りに進化させることは可能ではないかと伊東忠太氏は考え、本人の海外遍歴・研究による集大成の成果として、たった一代で、「築地本願寺」の建築により現実のものとしてしまう。

 京都や奈良と違い、ここを外国人観光客などが訪問した際には、日本人でさえ戸惑いを覚えてしまう建物だけに、この「摩訶不思議な建物」に、「特別の解説」を用意しないと、日本のオーソドックスな歴史に照らし、混乱してしまうのでは。

 それでも、この建物は何物にも動じることなく、時と空間を超えて堂々と、はるかにインドの源を見据えているかのようにそびえ立っている・・