会いたい人に会いにゆく
雑誌で育ってきたわたくしですが、
特に雑誌の創刊号が好きです。
雑誌は編集長のものとよく言われますが、
中でも創刊号は、編集長の思いが一番生々しく詰まっているからです。
いまでも新しく雑誌が創刊されると、
勉強がてら買ってみることが多いんですが、
この前、ちょっと面白いZINEを見つけました。
今度、『ATLANTIS』という雑誌が創刊されるそうなのですが、
創刊までの1年間の記録をまとめたZINEです。
編集長は、雑誌『NEUTRAL』『TRANSIT』といった
トラベルカルチャー誌の編集長を務めていた加藤直徳さんという方。
1号から6号まで出ていて、それぞれの特集はこんな感じ。
1号:「タイトルを決める/コンセプトを決める」
2号:「追いかける特集を並べる」
3号:「コンテンツを決める」
4号:「台割を作る」
5号:「レイアウト作業を進める」
6号:「表紙を決める」
号を追うごとに、編集長の頭の中のイメージがどんどん具体的になっていき、
紙の雑誌というフォーマットに落とし込まれていきます。
雑誌の判型を探るために、
ZINEの大きさもバラバラです。
創刊準備の様子をあえて公開したり、
ZINEを発表することで雑誌好き界隈にアピールしたり、
こういった取り組み自体が実にイマっぽい。
その他、さまざまなコンテンツがある中で、
自分は「編集長に会いにゆく」という連載を興味深く読みました。
新しいものを世に問うというのは、
ワクワクがありつつも、それ以上に心配が不安がつきまといます。
そこで、加藤編集長は、
伝説の先輩編集長たちに実際に会いに行って自分の不安をぶつけていくのです。
(『relax』の岡本さんや『WIRED』の若林さんなどが登場)
わからないことがあったら、人に聞きに行く。
これって、当たり前のようで、なかなか自分はできてないなあと。
ウェブで調べたり、本を読んだりして、なんとなくわかった気になってしまう。
会って話を聞くことで、思いがけない情報がもらえたり、
次に会うべき人を紹介してもらえたりと、
次のアクションが無限に広がっていくんですよね。
現在の業務では、なかなか外部の人と会う機会はないんですが、
人と会う、足を使って情報を集めるーー。
編集のキホンであり、編集のおもしろさを改めて思い出させてくれました。
雑誌『ATLANTIS』は7月に創刊だそうです。
M島